摂食障害が治りかけた頃、家の近くのショッピングセンターで、クレープを買いました。
そのときはまだカロリー計算やカロリー制限をしている状態で、昼食として食べることにしました。
トッピングまで細かくカロリーを下調べして、イチゴとカスタードのクレープを買いました。
受け取ってから、アイスがついていないクレープは平べったいのだと知ってちょっとがっかりでしたが、温かいクレープをもらってドキドキしていました。
帰り道、クレープを持って歩いていましたが、歩いているうち、温かいベストの状態で食べたいという欲求が抑えられなくなりました。
クレープなんて高カロリーなもの、当時はお昼ご飯としてもけっこうハードルが高くて、そう頻繁に食べられません。
もっているだけで落ち着きませんでした。
そこで、歩きながら食べることにしました。
一口、クレープを食べると、厚めの生地からくる小麦とバターの香りと、カスタードとクリームの濃厚な味に、ばっちり悩殺されました。頭の中で炭酸を開けたときのようにプシュっと音がして、快感が泡のように噴き出してくる感じです。
私はその時感じました。
"これで体重増えるなら仕方ないか"
"ていうか、これを我慢する人生の意味ってなんだ?"
家に着く頃には、もうクレープはなくなっていました。