さっきの日記、非公開にしているつもりが、公開されてて、慌てて続き書いてます!

中途半端は文章で終わっちゃっててすみません。
他人に読ませるための日記ではなかったんだけど。良かったらよんでください。



では続き。


ひとり旅をしていると
色んな勘が鋭くなるというか、不思議と道に迷ったりしない。
知らない町でも自分の勘だけを頼りに進む道を決定していく。

電車で次の目的地を目指している途中、

ふと北さんとの時間を思い出した。


北さんは、京都料理の評論家で、私が当時働いていた料理店に来てくれるお客様でした。

貧乏生活してた私を暇さえあれば京都中の美味しい料理やお酒のあるお店に連れて行ってくれたお洒落なおじさま。


思い立って、北さんが住む町で途中下車して、記憶を頼りに駅から北さんのお家に向かった。

急だったけど

『寒かったでしょう。紅茶を入れるからあがりなさい。』
と言ってもらった。

昔と変わらず、今日も
赤いリーガルシャツが似合っててお洒落。
でもだいぶやつれた印象だった。


『お変わりなくお元気そうですね』

というと

『僕、体調を崩してね。』
と言われた。


食べ歩きに連れて行ってもらってた当時、北さんは胃癌で胃の半分を摘出する手術をしていた。
『僕は人の半分以上の胃がなくて少ししか食べられないから、より美味しいものが食べたいんだ。彩ちゃんはいっぱい食べなさい。』
と言って、私が隣で勢いよく美味しいおいしいと食べるのを笑ってみてた。

どのお店に行っても、
そのお店の店主のこだわりの一品を北さんに出し、北さんの言葉を聞いていた。
時々『この料理に何が使われているかわかるかな?』と言った。
私が『う~ん。わからないなぁ』
と言うと丁寧に素材や調味料など料理について説明をしてくれた。


北さんが入れてくれた紅茶は
紅茶の葉も温度もミルクや砂糖の量もぜんぶこだわり抜いたもの


ほっと一息ついて、
私の近況と、昔連れて行ってもらったお店や料理の話をした。


紅茶がなくなったので、私は帰ることにした。


私は
『お会いできてよかったです。また会いましょう』

と握手をした。

また駅へと歩きだしたけど何故か涙が溢れてきた。

この旅はここに来るためだったの。

ただ思いのままに道を選んだのではなかったんだって思った。

ここがこの旅の最終地点。そう思ってまた沖縄に戻ったのでした。




そして先日、

一通の手紙が届いた。


私が引っ越したり色んな手続きを怠っていたため、転送転送でだいぶ前、ちょうど沖縄に戻ってきたくらいに送られた手紙だった。




『夫、北俊彦はいつもと同じように彼が愛した家族たちに囲まれて永遠の眠りにつきました。』

そう書き出された手紙。

差出人は北さんの奥様でした。

手紙の最後には
『どうか、泣かないで』

と書かれていました。


出逢いもあれば別れもあるのです。
別れが辛くて泣くんじゃないんです。
今世で出会えたことを嬉しく思って泣いてるんです。
でも少しだけ寂しくて泣いてるんです。


放浪の旅は続くけど、出逢えた人に感謝して。

please don't cry
bat just Pray for us