Ep8 蔵匿 見つからないようそーっと ⑥ | Love in Palace ~星の行方~

Love in Palace ~星の行方~

韓国ドラマ 宮 Love in Palace にはまりすぎて
日々の妄想を書き綴ったサイトです。

「殿下、こちらにお願いいたします」
そう促され慣れた手つきでハサミとテープを手にすると次の合図を待つ。
「それではお願い致します」





無事にテープカットを終え今日の役目は果たしただろう。
チェギョンの居ない公務は時間の経過も遅いし退屈極まりない。
本来なら二人でくる予定だったがら尚の事なのかもしれないな。
大学での新しい生活に疲れもでたのだろうか、少し熱を出していたチェギョンは宮で留守番だ。


「殿下、会場を少しご覧になりますか?」
「えぇ、行きます」


役目も終えたしすぐに退席してもいいところだが、今日の展覧会はチェギョンと二人で見ることを少し楽しみにしていた俺。
今日は若手の写真家が集まって開いている展覧会なのだ。
せっかくだし、仕方がないから一人でまわる事にした。


俺と年もあまり変わらないカメラマンの作品ばかり。
けれどその個性と技術には感嘆せずにはいられない。
その中でもひと際目を引いたものがある。


「殿下、この作品がお気に召されましたか?」
「ええ、とても綺麗な青ですね。こんなにも綺麗な空を私も見てみたいものです」


あまりにもじっと見つめていたからであろうか、案内役の職員が口を挟んできた。
俺が見ていた作品は『青空』。
雲一つないその空は写真というよりも色紙のように鮮明な青一色。


「さすがは殿下、その作品は今年度の新人賞に輝いた作品なんですよ、この作者は空を題材にする事が多く、この作品はその中でも特に……あぁちょうど作者があそこにおりますね、ご紹介しましょう」


作品を見るだけで十分なのに、職員がいらぬおせっかいを焼いてこの作者を呼びに走っていった。
しばらく待つと、驚いた事にその職員が連れてきたのは髪の長い女だった。
カメラマンといえば男のイメージが強かったから当然男がくるものだとおもったが……。


「お待たせしました、こちらが……」
「皇太子殿下にご挨拶できるなんて光栄ですわ、始めまして私Yuson(ユソン)と申します」


そうして差し出された手はひどく冷たく、またその澄ました表情からは何も読み取る事ができなかった。


青く清んだ空に雲は一つとしてない
けれども変わりやすいのが秋の空、その風は冷たく雨を呼ぼうとしていた


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