Ep7 胎動 動き始めた者達 ① | Love in Palace ~星の行方~

Love in Palace ~星の行方~

韓国ドラマ 宮 Love in Palace にはまりすぎて
日々の妄想を書き綴ったサイトです。

あれからしばらくは至って平穏な日々を過ごしていた。
俺は毎日の激務をこなしながらも時間を見つけては病院へ向かう日々。
チェギョンはと言えば、怪我もすっかり癒えて毎日リハビリを兼ねての散策が余念がない。
帰国して一ヶ月、明日ようやく退院できるとあって意気揚々としている。
心配をしていたパク・テヒョンらの動きも今はなく、またそれによってこちらの調べも手を打てないでいる。
この一ヶ月はいたって平穏な日々だった…。
ここ東宮殿を除いては…。

事の起こりは一ヶ月前…。
チェギョンが帰国した翌朝、東宮殿に戻った時の事。
何時も通りパビリオンへと足を踏み入れると何やら違和感を感じた。
たった一週間留守にしただけだと言うのに何だか違う空間に来たような感覚。
その答えは自室に足を踏み入れる事ですぐに判明した。


「なっ、なんだこれ!」


あまりの驚きにありきたりなセリフが飛んでしまう。
見ると執務用にあったはずの机、来客用の椅子とテーブル、そのすべてが取り払われ大き目のリビングソファーが入れられている。
ベッドルームはさして変わりはない。
…が、しかし。
無償に嫌な予感がしたので隣のチェギョンの部屋へと足を急がせた。
すると自分の部屋にあったはずの机がこちらに来ており、チェギョンの作業台となる机と肩を並べている。
奥にはあるはずのチェギョンのベッドが見当たらない…。
どういう事だこれは?
さながら俺の部屋は寝室やプライベート空間、チェギョンの部屋は仕事場といった所だろうか?
東宮殿にベッドが一つしかないという事…。
それはこれからチェギョンと同じ部屋でベッドを共にしろという事。
こんな事をするのはあの人しかいないか…。
俺はだいたい犯人の目星は付いているものの一応側にいるコン内官に確認を取った。


「これはどういう事だ?」
「…いえ、私も連絡を受けておりませんので…なんとも…」
「お祖母様の仕業に違いない。…はぁ、このまま朝の挨拶に向かいます」
「かしこまりました」


そう言うと俺は足早に東宮殿を後にした。
なんとも言えない感情を胸にしながらも、その足取りは軽快だった。



静かな朝は過ぎていく。
穏やかな初夏の風を纏いながら。



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