ペット業界にメス!
全国の自治体が11月、環境省の要請で子犬・子猫を扱うペットオークション会場や繁殖業者への立ち入り検査を実施した。動物愛護管理法は生後56日(8週)以下での展示や販売を禁じている。環境省は、この規制を逃れるため実際は生後56日が経過していない幼い子犬・子猫の出生日を偽った取引が行われている可能性があるとみて、実態を調べている。
「つながる毎日新聞」に寄せられた情報を基にした取材で判明した。 オークションは、繁殖業者が持ち寄った子犬・子猫をペット販売業者が競り落とす競り市。11月末、9道府県(北海道、宮城、埼玉、神奈川、栃木、静岡、愛知、大阪、福岡)の17会場に自治体の職員が立ち入り、過去10年間に出品された子犬・子猫の出生日や体重などを記載した資料を入手した。また、全国100以上の繁殖業者に対しても出生日や飼育状況を記録した台帳の提供を求めた。
複数の関係者によると環境省は今秋、出生日を偽った子犬・子猫がペットショップで展示・販売されているとの情報を入手。子犬・子猫に装着を義務づけているマイクロチップの記録を精査するなどしたところ、オークション開催日付近に生後57日となっている事例が相次いで見つかったという。
このため、環境省は広範囲で詳細な調査が必要と判断し、初めて全自治体に一斉検査を要請した。年内をめどに報告をまとめ、悪質なケースについては、自治体に行政指導の検討を依頼する。
ペット市場では、小さい子犬・子猫が消費者に好まれるため、乳歯が生え出す生後4週近くで売買されることが多かった。ただ、生後7週までに母犬と離すと「かみ癖」や「ほえ癖」などの問題行動を起こす可能性が高まる。感染症にかかるリスクもあることから、2021年6月から、生後56日以下での展示・販売を禁じる「8週齢規制」が導入された。 一般社団法人「ペットフード協会」は22年の新規飼育数を計85万8000匹(犬42万6000匹、猫43万2000匹)と推計している。ペット業界関係者によると、取引は半数以上がペットオークションで競り落とされ、ペットショップの店頭に並ぶ。残りはブリーダーからの直販などで売買される。
【宮城裕也、平塚雄太、大野友嘉子】
https://news.yahoo.co.jp/articles/421556754caddc7983ffe23fd5d13ed309e87e07
動画あります
https://x.com/mutunohana0122/status/1736710198411321355?s=46&t=naMRlPn2p722kYU_SyzRaQ