『百年の誤読』/『文学賞メッタ斬り!』 | 文学よみっパナシ

『百年の誤読』/『文学賞メッタ斬り!』

『百年の誤読』ぴあ株式会社/岡野宏文・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!」パルコ出版/大森望・豊崎由美
文学よみっぱなし‥ブログほっときっぱなし~みたいになっていた。いやあいかんいかん。しかし,言い訳をするとですね,ちゃんと本も読んでましたし,文学から離れていたわけじゃないんす。 ええ,さらに!去る10月30日,ジュンク堂新宿店のオープン記念イベントに行ってきました。ジュンク堂といえばやはり池袋ですけど,新宿店もなかなかグッド。池袋店のスペースの広さには負けるけど,やっぱり本の並べ方とか客に親切~。見やすいし,分類の仕方もスマート。本好きには嬉しい本屋さん(回し者?) さらにジュンク堂ではよく作家を呼んでミニ講演会みたいなイベントをやってるので憧れの作家の話を聞きにいくのも楽しい。
 今回はお茶目な文芸評論家 豊崎 由美氏と大森望氏がきてトークセッションをやりました~。トヨザキ氏は『ダ・ヴィンチ』などの連載で活躍中のライター(演劇や競馬などにも詳しいのです),大森さんは編集者で翻訳家(海外SFなどがメインみたい)でもあります。なのにこのふたりったらほんとにきどらない気さくキャラ。小難しそうに思える「文学評論」,「ぶんがくひょーろん」って感じで楽しく語ってくれます。客層は伊勢丹内ということもあってやや年齢層高い感じだったけどおじさま・おばさまのハートもつかんでいました。
トークセッションのあとにはもちろんサイン会(この表現ふるっ)もありましたが,このときに販売されたのが新刊の『百年の誤読』と2004年3月に発売された『文学賞メッタ斬り』。※『百年の誤読』は岡野宏文/豊崎由美著),『文学賞‥』は大森望/豊崎由美著)『百年の誤読』は文学史上に輝く?大作から,昨今のベストセラー小説までを,言いたい放題しまくる豪快な一冊。(しかしこの読書量にはほんとびっくりします)そう!みんながスゴイと言ってるアノ作品やら,アノ作家をざっくざっくときっていきます。例えば『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラは自分勝手だしぜんぜん考えて行動しないし,はっきりいって共感できない!なんてくだりは思わず,そうそう!なんて唸ってしまったですよ。ほんとスカーレット性格悪いし,逞しいというより図々しいんだもん。文学なんてもんはそうしゃっちょこばって読まなくていいんだ!って気分にさせてくれます。『金色夜叉』,『城の崎にて』,『それから』なんて文学の香高そうな作品をかな~りネタにして笑ってますが,なああんだ本ってそなん感じで読めばいいのねって気持ちにさせてくれます。かなりこき下ろされる作品だってちょっと読んでみたいなあっと不思議と思わせてくれる本であります。そしてこの二人けしてこきおろしてばかりいるわけじゃありません。ちゃんと評価だってします。いやみな感じなく作家や本に対する愛情が伝わってくる一冊。
本読みの幸せは読書もさることながら,読んだ本について友達と語り合うことでもあります。そんな基本的な読書の幸せがこの本には実はつまってるよーに思えます。
さらにあわせて『文学賞メッタギリ』(パルコ出版)もオススメです。敷居の高かった文学賞選考委員たちの世界が急に卑近になるスゴイ本です。○○賞ってけっこーいい加減に選ばれてるんだな~とか,エ!あの都知事のおじさんが選考委員なの!とか‥しらなかった文学賞の世界が分かります。
しかし2冊ともいわゆる文芸が18番の出版社からではなくエンタメ系の出版元からでている理由は‥やっぱり作家先生たちが,失礼である!とかいって怒るからなのかな。