「三人吉三」を観て来ました
恥ずかしながら、初・歌舞伎でございます。
開場までの時間「プラハ国立美術館展」を鑑賞。
北方ルネサンスで必ず名前の出てくるブリューゲルなどの作品が多数来ていました。
フランドル絵画の後は、いざ初歌舞伎へ
とにかく初めての歌舞伎が、コクーンの、この「三人吉三」で良かったなァ、と心から思える素晴しいものでした
と、いうのも、誘ってくださった方が「歌舞伎通」で常連さんだったため、平場の、しかも最前列かつ、ど真ん中という、自分では絶対取れないであろう席を準備して下さったお陰です
本当にありがとうございました
序幕では、舞台の下でやりとりがあるので、もろ!目の前に勘三郎が
足を伸ばせば、蹴っちゃうくらいの近距離です。
ニ幕目はどんどんストーリーが展開していきます。
もう、凄い迫力です。勘三郎の目なんかぎょろぎょろしてて。
しょっぱなから、どきどき、わくわくさせられる演出で一気に惹き込まれました。
そして次から次へとかわる舞台の上。
次は?次は?と期待して観ている自分がいて。
正座は苦手だし、大丈夫かな?なんて思ってたのが嘘のように、一幕一幕があっという間に感じらました。
お嬢三吉の福助。
歌舞伎を知らないので、よく判らなかったけれど、素敵でした。
お嬢と名がつく、お嬢の格好した男の盗賊。
だから最初女の姿形声仕種で出てきたお嬢吉三が、いきなり変貌して男になるんですよね。
人形のように美しい着物姿の、しかし、決して若くないあごをした役者が、ころりと変わって男口調で台詞言うっていうのは小気味のいいものがあります
詳しくは筋は書きませんが、照明の細かいところまで考え抜かれた、美しい舞台でした。
笹野さん演じるおとっとぁんが、非業の死を遂げる前段階なんで台詞に合わせて、影にはいったり光に現れたり。
素晴しい!
そして、感情を込めた役者達が、涙を流し、あまつさえ鼻水まで!!
2mとないような近距離での迫真の演技で汗やらなにやら。。。。物凄い迫力で迫ってきました。
そして3幕目、大詰めでは2幕目とはうって変わって真っ白な舞台。
はらはらと美しく降りしきる雪。
真ん中にそびえ立つ火の見櫓。
すべてが白で覆い尽くされていて、なんとも美しい奥行きを感じます。
そして真っ白舞台の上で繰り広げられる大立ち回り。
捕り手達を切り倒す三人吉三。
火の見櫓での大見得。
LASTは、とにかく雪の演出が凄い
物凄い量の雪がどっさり、どざどさ!!バサ~~~ッと降ってきます。
最前列なので、どさっと落ちるたびに前から、上から、大量の雪をかぶる事に。
客席から「オーッ!」「オーッ!」と歓声があがりますが、意識せずに私も何か叫んでいたはず
爆風のように向かってくる雪に、全身どころか洋服の中や、バッグの中も雪まみれでした
そして最後の美!
三人が刺し違え互いに折り重なって倒れる、そしてその上に降りしきる雪。
一瞬一瞬が絵になる、そんな美しさでした。
最後はスタンディング・オベーション
カーテンコールはなんと3回もあって、役者達がみなすがすがしい「やったぞ」という満足そうな表情をしていたのが印象的でした
きっと観客の感動なんて目じゃないくらいの感動なのでしょうね。
あんなに晴れ晴れとした、すがすがしい大人の顔を見たのは久しぶりのような気がしました。
凄らしくいい顔なのです
終了後、ドゥ・マゴ・パリへ。
勿論ディナーは美味しかったのですが「マッシモ・ワイン」が飲めたのが、かなり嬉しかった~
「パレルモ・マッシモ劇場」初来日公演を記念して、シチリアをイメージしたディナーメニューとスペシャルワインを用意されているようです。
去年マッシモ劇場に行ったけれど、マッシモワインなんて飲んでな~い、というか、スペシャルワインって事なので限定なのでしょうか??
シチリアで一番好きになった「エトナワイン」とよく似た感じの、重口の美味なワインでした
あ~、でも、マッシモも来日なんですよね。
案内の女性が、来年日本で公演がありますよ、って言ってたけど、もう・・・・時間がたつのって早いですね。