人生最高の瞬間である結婚式。家族や友人に祝福され、賑やかな披露パーティー。
新郎新婦の笑顔を見ていると、つくづく結婚っていいなと羨ましくなる。
が、そんな中にも私が恐れているシチュエーションが一つ。
題して『ケーキカットの恐怖』。考えるだけでも恐ろしい。
ケーキカットといえば、夫婦になって初めての共同作業として、大勢のゲストの前で恥ずかしがりながら行なわれる。微笑ましい野次を飛ばされながら、たくさんの写真を撮られるというのがよく見られる光景である。
しかしごくたまにだが、恐怖は起こる。ケーキにナイフが!!という瞬間、ゲストが誰一人として新郎新婦の前にいないのである。カメラに手をやろうとはせず、席から立とうとはせず、ただただ遠巻きに二人を見ているのだ。それでもケーキカットは続く。笑顔のまま、あるはずのないシャッターチャンスを待ち続けなければならないのだ。
その時間の長いこと…。
私は思う。
結婚式に参列したら、必ず要所要所で写真を撮る。
それがエチケットだ。
いつの間にか過ぎ去ってしまった夏の日の出来事である。
昼休みに会社の裏で休憩していた時だった。突然、周囲が賑やかになった。休憩場所は高い塀に囲まれているため、何が起きているかは確認できないが、どうやら幼稚園児が十数人集っているようだ。子供たちの笑い声は元気が出るな~などとほほえましく思っていると、にわかに女の子達のきゃーという歓声がわき、「アキラ~~」「アキラ~~~」という声援が飛びかいはじめた。子供特有の甲高い声が響きわたる。
そして子供達の気持ちが一つになったのか、
「アキラッ! アキラ‼」
とすさまじいアキラコールが巻き起こった。一体アキラは何をしているのだろうか、何をすればあんなアキラコールを浴びれるのだろうか。気になる、気になる。なんとかアキラを見たいと隙間を探したが、塀に阻まれ何も見る事ができなかった。
その内、アキラコールは終わり、辺りは子供達の笑い声に包まれた。ついにアキラを見ることができなかったと悔しがっていると、再び猛烈なアキラコールが!
「アキラッ!アキラッ‼ アキラッ! アキラッ‼」
またアキラが何かやらかしているのか! 私は今度こそと、塀をよじ登ろうと必死に足をかけた。が、全く歯がたたない。その間も熱烈なアキラコールは続いている。
アキラが見たい! アキラはなぜそんなに声援を送られてるんだ! アキラが見たい!
そんな思いも虚しくアキラコールは鳴り止み、子供達は立ち去って行ったようだった。
一目アキラを見たかっただけなのに…。あんなに子供達を熱狂させるアキラに私は会いたい。
昼休みに会社の裏で休憩していた時だった。突然、周囲が賑やかになった。休憩場所は高い塀に囲まれているため、何が起きているかは確認できないが、どうやら幼稚園児が十数人集っているようだ。子供たちの笑い声は元気が出るな~などとほほえましく思っていると、にわかに女の子達のきゃーという歓声がわき、「アキラ~~」「アキラ~~~」という声援が飛びかいはじめた。子供特有の甲高い声が響きわたる。
そして子供達の気持ちが一つになったのか、
「アキラッ! アキラ‼」
とすさまじいアキラコールが巻き起こった。一体アキラは何をしているのだろうか、何をすればあんなアキラコールを浴びれるのだろうか。気になる、気になる。なんとかアキラを見たいと隙間を探したが、塀に阻まれ何も見る事ができなかった。
その内、アキラコールは終わり、辺りは子供達の笑い声に包まれた。ついにアキラを見ることができなかったと悔しがっていると、再び猛烈なアキラコールが!
「アキラッ!アキラッ‼ アキラッ! アキラッ‼」
またアキラが何かやらかしているのか! 私は今度こそと、塀をよじ登ろうと必死に足をかけた。が、全く歯がたたない。その間も熱烈なアキラコールは続いている。
アキラが見たい! アキラはなぜそんなに声援を送られてるんだ! アキラが見たい!
そんな思いも虚しくアキラコールは鳴り止み、子供達は立ち去って行ったようだった。
一目アキラを見たかっただけなのに…。あんなに子供達を熱狂させるアキラに私は会いたい。
ニックネームはセンス次第で周りの空気をほのぼのとさせる。
高校時代、50過ぎ位の冴えない男性教師がいた。見た目は木の実ナナのように各パーツが大袈裟な造りで、特に目立つような教師でもなかった。にも関わらず、『メーデルハーデル』というなんともメルヘンチックなニックネームで呼ばれていたのだった。どうして純日本人なこの人に西洋風のステキな名前がつくのだろうと、不思議でしかたなかった。
だが、真相は実に簡単だった。
単に目が出て歯が出ていたからだった。
誰が名付けたのか、長らく受け継がれているニックネームらしい。これは名作中の名作。名付け親に脱帽である。
その日から『メーデルハーデル』は私の中で憎めない存在となった。
どうせなら思わず吹き出してしまうようなセンスあるニックネームをつけられたい。
高校時代、50過ぎ位の冴えない男性教師がいた。見た目は木の実ナナのように各パーツが大袈裟な造りで、特に目立つような教師でもなかった。にも関わらず、『メーデルハーデル』というなんともメルヘンチックなニックネームで呼ばれていたのだった。どうして純日本人なこの人に西洋風のステキな名前がつくのだろうと、不思議でしかたなかった。
だが、真相は実に簡単だった。
単に目が出て歯が出ていたからだった。
誰が名付けたのか、長らく受け継がれているニックネームらしい。これは名作中の名作。名付け親に脱帽である。
その日から『メーデルハーデル』は私の中で憎めない存在となった。
どうせなら思わず吹き出してしまうようなセンスあるニックネームをつけられたい。