原因不明の体調不良はあったものの、それ以降は、何事もなく、仕事、育児、家事とこなしていた。

とはいえ、さすがに立ちっぱなしの出張の日は、少しお腹が張って、無理はできないなぁと改めて思ったことはあったが…


6月28日

二回目の妊婦検診から1ヶ月。

どのくらい大きくなったかなぁ…大きくなってるといいなぁと思いながら、病院に向かう。

すでにお腹の子は、妊娠五ヶ月に入っていた。


いつものようにエコーを受ける。

頭の大きさや胴回りなどを測りながら、体の部分を先生が教えてくれる。
最後に心臓の音を聞かせてくれて、終わりかと思ったが、今日は違った。
なぜか先生のエコーがなかなか終わらない。
お腹のあちこちにエコーを動かしながら、何かを見ているようなそんな雰囲気がある。
何も言わない先生が、不気味に思えてくる。


長い沈黙のあと、先生が少し険しい表情で口を開く。


「んー、体とへその緒の他に、白い塊のようかものが見えるんだよね。」

という言葉のあとに先生が説明してくれたことは、
① 白い塊には血管が通っていないように見えるし、体からは離れているように見えること。かといって、じゃあ、一体なんなのかは明言を避けた。

② 可能性の一つとして、腹膜破裂というのがあって、初期の段階でおなかが閉じきらなくて、腸が飛び出してしまっていることがあるとのこと。(今回がこれに当たるのかは、分からないが…という前提でのお話。)

③ 大きさは、丸い形で直径2cm前後。

とにかく、先生もなんだろう?という感じだったので、経過を見るということで、また一週間後に来るように言われた。この日が土曜日だったのだが、次の予約はできれば金曜日にしてほしいと言われた。どうしてだろう?なんで土曜日じゃだめなんだろう?と不思議に思いつつも、言われた通り金曜日に休みを取って、来るために予約を入れた。


今思えば、なんとなく察しがつく。

万が一、何か大きな問題が分かったときのために、平日の受診を進めたのかもしれない。
その時には、理由が分からなかったが、きっとそういうことだったのかもなと今だから考えがつく。

実はそのくらい深刻なことだったのだ。


帰宅後、私は心配になり、スマホでいろいろ調べ始めた。
エコー 白い塊…
など、いろんな言葉を入れて検索したが、何もこれといった情報は得られなかった。
妊娠を伝えていた両親にもこの事を話す。二人ともなんだろうね…と心配はしていたものの、原因が病院でも分からないこともあり、また、一週間後に受診することもあり、なんでもないといいね、と話す程度であった。


原因が分からないことが、私の不安を駆り立てていたが、同時に事の深刻さも分からないがために、どこかできっと大丈夫…と考えている自分もいた。

でも、ずっと気になっていた、赤ちゃんが小さめであること…上の子の母子手帳を見ると、すでに妊娠四ヶ月で職場で履いていたズボンがきつくなり始めているという記録があったが、今は、そのズボンがきついと感じることがない、妊娠五ヶ月なのに。そういったちょっとした気がかりがまた私の中でむくりと起き始める…。


初めて指摘されたこの異常が、ものの1ヶ月で私たち夫婦に大きな変化をもたらすとは今の段階で気づく術もない。。。