昨日は日本のお金の進化でしたが、今日は世界の貨幣の進化について学んでいきましょう
《お金の進化〜世界編〜》
お金が生まれる前は、物々交換がメインで行われていました。
しかし、これは相手と自分の需要と供給が一致した時にしか成功しません。
どんなに欲しい物があっても、相手が喜ぶ物を持って居なければ取引できないのです。
そうした不公平さを無くすために用いられたのがお金という概念です。
当初は石や貝殻などがお金の代わりとして使われていましたが、当然不安定です。
周辺で拾えてしまいますので、お金としての信用はとても低かったのです。
そこで利用されるようになったのが金です。
鉱石である金は簡単に拾うことが出来ないため、通貨としての信頼を非常に高く保てたのです。
◉中国から生まれた紙の紙幣◉
中国の場合は紀元前7世紀頃から金属の鋳造貨幣となり、丸い貨幣の真ん中に四角い穴をあけた円形方孔です。
このタイプのお金が中国全土で利用され、一部は日本へと流れました。
日本では富本銭となり、全国へと流通して行くのです。
また、製紙技術が発達した中国からは、紙の紙幣が生まれることになります。
金や銀よりも遥かに扱いやすい紙幣通貨の始まりです。
モンゴル帝国時代は、強力な支配力により安定した紙幣を現実的にしました。
ただの紙切れが高い価値を持つのはとても異質なことです。
それを現実にするのは並大抵な権力では無いですよね。
文明ごとに独自の進化を遂げていくお金ですが、近年になると世界共通のお金も生み出されました。
それがビットコインなどによる電子マネーです。
金や銀、紙幣とも違い実態を持たないお金です。
仮想上のお金をユーザー同士で価値あるものと考えるのです。
インターネット社会の今では、この電子マネーが新しい通貨の在り方になりつつありますね。
仮想通貨については、後々詳しく書いていきますね
今回は、日本のお金の歴史について学んでいきましょう
《お金の進化〜日本編〜》
◉古代◉
古代では、お金という概念は存在せずに物々交換が主流でした。
自分が欲しい物を持っている人に様々な交渉を行って、物と物を交換するのです。
交換するものは米や布、あるいは塩などが重宝されていたようです。
これらを物品貨幣と呼ぶのです。
◉飛鳥時代◉
飛鳥時代になってくると、中国の開元通宝をモデルにした、富本銭が登場します。
コインのような貨幣には富本としっかり刻まれています。
これは国を富まし、民を富ませる基本という意味があるのです。
西暦683年の頃の話です。
◉奈良時代・平安時代◉
この時は250年の間に金貨や銀貨、銅銭が作られています。
そして豊臣秀吉が金や銀の貨幣を作るまでは、中国から輸入した貨幣を代用していた記録もあります。
1404年になると、中国と室町幕府との間に条約が結ばれます。
それにより貿易が始まり、銅銭が非常に重要なお金となります。
特に永楽通宝は人気があり、全国で使用される共通のお金となっていたのです。
1587年には天正菱大判などが登場します。
これが俗に言う、大判小判です。
これらは主に臣下への褒美として配られるもので、庶民の間には流通しませんでした。
しかし、それ故に非常に価値の高いものとして重宝されていたのです。
◉江戸時代◉
江戸時代に突入すると、寛永通宝が登場し貨幣制度が統一されました。
全国で使うことが出来るようにと金や銀貨も作られています。
当時はアメリカやイギリスなどの貿易も活発になっており、金の流出が問題にもなった時代です。
◉明治時代◉
明治時代になると、造幣局が建設されて造幣工場が完成しています。
金や銀の価値をしっかりと整備し、グラムに応じた価値を明記していました。
その後、大正時代や昭和時代へと入り、現在のお金へと進化して来たのです。
お金の歴史はまさに人間の歴史と言っても良いでしょう。
歴史を知ることで、お金の利便性と価値に改めて気付けるのではないでしょうか?