長相思☆番外編補足
ドラマ版《長相思2》22&23集に含まれる原作小説番外編について補足しています
22&23集を未視聴の方は【スルー推奨】です🙇♀️
相柳の結末に触れているので、ネタバレにご注意ください🙇♀️
5集でキーアイテムとなる氷晶球が登場し、映像化の期待が高まった相柳の番外編。
番外ではなくメインストーリーの合間に差し込まれる形ではあったけど、大切な部分はしっかり再現されていた。
以下、振り返りながら少しだけ補足を。
(ドラマのラストで)小夭に阿念が手渡した、木彫りの人形。
あれは相柳自ら扶桑神木を彫り込んで作ったもの。
彼は思い出の氷晶球をしばらく静かに眺めた後、指を刃のように使って小さな文字を刻み込んだ。
「有力自保、有人相依、有处可去,愿你一世安乐无忧」
「(今のあなたには)自分を守る力も、頼れる人も、行く場所もある。あなたの生涯が安楽で憂いなきものでありますように。」
原作番外編では、氷晶球を木彫り人形のお腹に収めた後、さらに特殊な加工が施されている。
血の陣法を用いて活性化させた霊力を注ぎ込み、人形と台座を完全に一体化させた相柳。
その後、自分の霊力や武器で人形をこじ開けようと何度も試し、傷一つつかないのを確認してやっと満足する。
人形を入れた袋を毛球の背にくくりつけ、獙君に彼からの結婚祝いとして小夭に贈るよう言付けた。
(九頭妖が作った物をなぜ狐狸が作ったことにするのかと不満の叫び声を上げた毛球…相柳に怒られ頭をはたかれた😅)
闇夜に遠ざかっていく毛球を見送る相柳。
清水镇の郊外で初めて会ったとき、小夭が漏らした唯一の真実。
「我无力自保、无人相依、无处可去。」
「私には自分を守る力も、頼れる人も、行く当てもないんだ。」
今の小夭には自らを守れる強さがある。
寄り添い合う恋人もいる。
誰にも迫害されない居場所もある。
相柳は心の中で静かにつぶやいた。
「小夭、これから先はもうお前を守ってやることはできない。自分を大切にしろ。憂いなき安楽な生涯であることを祈っている。」
(この台詞はそのまま23集で使われていて号泣😭)
~後日談~
その後、結婚祝いの品として木彫り人形を受け取った小夭。
なぜ阿獙は玉山の桃木ではなく木彫りに適さない扶桑神木を使ったのか、興味を引かれる。
璟が人形を見ながら言う。
「これは樹齢数万年の扶桑神木。水や火、剣でも傷つけることはできない。これを作り上げるには大変な苦労をしたはずだ。」
一見何の役にも立ちそうにない人形だが、小夭はとても可愛いと思った。
手に持っていると、どんどん愛着が湧いてくる。
大きな頭に大きなお腹、ザクロ柄の腹巻きをしており、無邪気に笑っている。
思わず小夭も微笑み返さずにはいられなかった。
(相柳の一報を聞いてから)数日ぶりに彼女の笑顔を見た璟は安堵のため息をつき、人形をきちんと保管しておくよう侍女に指示した。
ここからは個人的な解釈だけど…
彼は弓を教えて自らを守る力を、璟を救うことで頼れる人を、37年もの治療を介して海という居場所を彼女に与えた。
そして最後に彼ができること…それは小夭の憂いの一つであろう自らの存在を完璧に消し去ることだった。
(小夭のこれまでの言動からだけでなく、死を覚悟していた彼が後々自分のことで心を痛めないように…というのもあったような)
だから小夭が持つ鏡の記憶を消し、自らの命を犠牲にして情蛊を殺したことを隠し…
大切な思い出と自らの想いを封印した人形も、決して中を見られないよう厳重に封印し、他人からだと偽り…
最後まで会いに行くことも別れを伝えることもなく…
ただただ小夭の幸せを祈って静かに消えていった…
ということで、個人的には己の美学を最後まで貫き通した相柳に全てもっていかれましたーーー😭😭😭
…でも、一緒に暮らすなら十七がいいよね、とも思う🤭