話は変わりますが、都内のある大使館では、ふらりと訪れると絵画展などが開かれていることがあります。
入館時にはセキュリティーチェックを受け、その後は大使館職員の方が案内してくださいます。とはいえ、ずっと付き添われるわけではなく、ほどよく距離を置いてくださるので、私はいつもゆっくりと作品を拝見しています。
そして帰る際、決まってかけていただく言葉があります。
「今度は、お友達とどうぞ」
そのたびに、私は心の中で少しだけ笑ってしまいます。流暢な日本語だなあ、でも、
実は、私は一人で静かに見る時間がとても好きなのです。
それでも、そんなふうに声をかけていただけるのは、きっと「またいらしてください」という温かな気持ちの表れなのでしょう。
ありがとうございます、と心の中でつぶやき、大使館をあとにします。