高橋選手おめでとう! | のんびり田舎生活

高橋選手おめでとう!

今シーズンの世界選手権は、手に汗を握り締めて感情移入して応援する選手おらず、平等に応援していたのですが、テレビから伝わる緊張感に高橋選手の演技が始まったと同時に思わず身を乗り出して見ていました。冒頭の4回転トーループジャンプでお手つきがありましたが、次のジャンプから見ていても不安な要素はありませんでした。後半の怒涛の5連続ジャンプも見事でした。一つずつジャンプが決まる毎に体力的に苦しそうな表情と喜びの表情の両方が見て取れました。スピンが流れたり詰まったりした所も見受けられたので、恐らくかなり苦しかったのだと思います。息が苦しそうな表情を浮かべ、最後のストレートラインステップは本当に見ごたえがあって、じーんとしてしまいました。フリーだけだと高橋選手が1位です。結果のページはコチラ→


優勝は、ショートプログラムで10ポイント以上貯金があったジュベール選手でした。ジュベールの演技は大きなミスがありませんでしたが、良く言えば堅実な演技、悪く言えば守りに入ってしまったような印象で、「うおーっすごい!!!」と思いませんでした。と言っても4回転ジャンプもちゃんと決め、トリプルアクセルも5種類のトリプルジャンプを全て決めたのですが、何かいつものパワフルさが足りなかったのは少し残念でした。


もともとプログラムに入っていた2回目の4回転ジャンプのコンビネーションは、安全策で3回転に変えてきたようでした。あそこで4回転に挑んで決めていたらとついつい思ってしまいました。GPシリーズで4回転ジャンプを3回決めたものすごい演技を見たので、世界選手権でそういう演技を期待してしまうのは、見る側のわがままですね。でも、フランスにとっては42年ぶりでジュベールにとって悲願の金メダルは良かったと思います。それと、新採点が始まって4回転ジャンプを回避する傾向があった所へショートプログラムから4回転ジャンプを意欲的にプログラムに入れて、再び男子が4回転ジャンプがなければトップに立てないというきっかけをジュベールが作ったような気がします。


3位はランビエール選手でした。

新プログラムは「フラメンコ」でした。衣装は黒を基調に赤がところどころ入った衣装で、去年のシマウマ衣装とガラリと雰囲気が大人っぽく、色っぽいなぁと思いました。ジャンプは本調子ではなかったようですが、前日失敗したトリプルアクセルを決め4回転ジャンプも着氷乱れがありましたが2度決めてきました。ジャンプうんぬんより得意のスピンは素晴らしく、何よりも「フラメンコ」の熱い情熱とエネルギーが、演技全体から伝わってきました。フリーだけだとジュベールよりも得点が上でした。ディフェンディングチャンピョンでしたが、モチベーションの上らない中、新しいプログラムで世界選手権に出てきて闘った姿に拍手したいです。


一番驚いたのが、4位のチェコのTomas Verner です。4回転ジャンプを2回、トリプルアクセルを決めました。最後の3F(フリップジャンプ)で転倒はしましたが、スケーティングが長野五輪の覇者のクーリックを思い出させました。知らない選手だったので、世界選手権はそんなに出ていない選手かと思いきや、6度めの出場で上位に来る選手ではなくて、一昨年は本戦に進むこともできなかったようです。去年の世界選手権が13位で、今年のヨーロッパ選手権(ランビエール不出場)はジュベールに次いで2位だったそうで、一気に躍進した選手のようです。21歳とまだ若いので、日本人選手にとっては強力なライバルになりそうで楽しみな選手です。


もう1人忘れてはいけないのは織田選手です。前日のショートプログラムの失敗で14位と出遅れたのですが、最終結果は7位で入賞です。一気に7つも順位をアップさせて、日本男子の世界選手権出場枠を2つから3つにしました。プレッシャーに負けて崩れず立派でした。演技が始まって、いつも通りの溜めるポーズからのトリプルアクセルからの3連続ジャンプを決めて、調子が良さそうに見えて一安心と思いました。


今季織田選手はチャイコフスキーの交響曲のフリープログラムで滑っていたのですが、プログラムを「ミッションインポッシブル」に変更して世界選手権で初披露でした。次に続くジャンプが3S-2Tで、「おや?こんなところでサルコウジャンプ(3回転ジャンプの中では難易度が一番低いジャンプ)からコンビネーションにするの?」と思いました。しばらくして前向きのアクセルへの軌道に入ってゆき昨日失敗したスパイラルのポジションでから単独のトリプルアクセルと思いきやダブルアクセルでした。


2回目のトリプルアクセルはいつ跳ぶのだ?と思っていると2A+3Tのコンビネーションジャンプを決めました。「おおすばらしいっ!!」と思って見ていると3Lz+2Tのコンビネーションジャンプを跳んでしまいました。思わず、「織田君、今のジャンプはあかんよ。得点が無くなるー!!!」と叫んでしまいましたた。ルール上プログラムの中にコンビネーションジャンプは3回までと決まっています。昨シーズンの全日本選手権と世界選手権でも失敗をカバーしようとジャンプを跳びすぎてしまって、得点が無効になってしまいました。同じ過ちを繰り返してしまいました。本人が一番こたえていると思いますが、残念でした。


今シーズンが始まった時は高橋選手もここまで絶好調ではなかったので、織田選手とさほど差は無いと思っていました。むしろプレッシャーに強い織田選手の方が上にゆくのではないかと思っていました。それがNHK杯で少し差を開けられ、全日本では高橋選手の方が一段階上の階段を上がりました。高橋選手が精神的にものすごく強くなって、天性の才能が開花したという感じで織田選手も、あせりやプレッシャーはあると思います。でも、よく考えたらまだシニア2年目でまだまだこれからです。高橋選手も才能は認めらていたものの、なかなか結果が出ず乗り越えた壁なので、挑戦してがんばって欲しいです。


さて、解説席から高橋選手の指導もしている本田君が高橋選手に祝福のコメントを送り「大輔、もっともっと練習してがんぼろうな!」と言った時に高橋選手の顔がくずれ甘えたように「はい、また助けて下さい。」言ったのは微笑ましかったです。

 

本田君の現役時代は、ヤグディンとプルシェンコという別次元の宇宙人のようにすごい選手が二人もいたので、本田君の素晴らしさは目立ちませんでした。私も応援はしていたけれど「プラクティスチャンピョン」と言われるほど本番に弱かったので、本田君のものすごい演技というのがあまり記憶になくショートプログラムが良ければフリーで失敗というイメージがありました。

先日、某掲示板でフィギュアスケートファン仲間の方が本田君のものすごい演技の動画を紹介してくれました。興味のある方はご覧下さい。

4回転3回転のコンビネーションジャンプに単独4回転ジャンプをあと2回合計3回も成功させて、旧採点の6.0満点も出ています。本田君から指導を受けてから、高橋選手のジャンプが安定したのも納得できます。



さて、今夜は女子のショートプログラムの放送がありますね。女子もどの選手もがんばって欲しいです。


フィギュアスケートが始まるとコメントのお返事と訪問が遅れがちになってすみません。