世界選手権-ペアショートプログラム
一部訂正と追記あり
いよいよ今シーズンを締めくくるフィギュアスケートの世界選手権が始まりました。しかも東京で開催なので、いつもはあまり放送されない、アイスダンスのコンパルソリーダンスにペアのショートプログラムの放送がありました。パソコンは不調ですが、やはり放送が始まるとテンションがあがります。早速、ペアのショートプログラムの感想などを書いてみたいと思います。(アイスダンスは録画をまだ見ていません)
ショートプログラム結果 Total TES PCS
1 Xue Shen/Hongbo Zhao CHN 71.07 39.50 31.57
2 Aliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWY GER 67.65 37.70 29.95
3 Qing PANG / Jian TONG CHN 66.75 37.30 29.45
4 Yuko KAWAGUCHI / Alexander SMIRNOV RUS 62.07 35.02 27.05
5 Valerie MARCOUX / Craig BUNTIN CAN 60.73 34.66 26.07
6 Rena INOUE / John BALDWIN USA 59.50 34.65 25.85
7 Jessica DUBE / Bryce DAVISON CAN 58.94 34.46 24.48
8 Tatiana VOLOSOZHAR / Stanislav MOROZOV UKR 57.62 32.28 25.34
9 Dorota SIUDEK / Mariusz SIUDEK POL 57.23 31.77 25.46
10 Dan ZHANG / Hao ZHANG CHN 57.00 31.37 27.63
11 Maria PETROVA / Alexei TIKHONOV RUS 56.36 27.94 28.42
*TES=Technical Elements Score, PCS=Program Components Score
感想はテレビのオンエア順です。
10位 ZHANG & ZANG
昨年トリノオリンピックの銀メダリスト、世界選手権の銀メダリストですがいきなり10位と出遅れました。ジャンプやツイスト等高さはありましたが、演技に粗さが見られました。衣装を含めて昨年より洗練された雰囲気だったのですが、得点が低くてビックリしました。見た目に大きなミスがなかったのに2.00の減点がありました。どうやら、リフトの時に男性が回りすぎてしまって減点され、リフトの得点が丸々失ってしまったようです。
追記減点の理由はISUのレビュー を参考にしました。
3位 PANG& TONG
トリノオリンピックで惜しくも表彰台を逃して、世界選手権で優勝したペアです。このペアソルトレークの頃から結構好きです。ジャンプ等の技術力の方が目立っていましたが、昨シーズンから二人で作り上げる世界、魅せる演技が上手くなっています。試合後のインタビューで「日本の観客は丁寧ですごく応援してくれるので、本当に気持ちよく演技できるから大好きです。」と語ってくれました。デフェンディングチャンピョンなのでタイトルを守りたいそうです。
2位 SAVCHENKO& SZOLKOWY
昨年の世界選手権5位か6位の選手であまり覚えていなかったのですが、今年メキメキ実力を伸ばしてヨーロッパ選手権で優勝したそうです。タンゴ風の曲に乗った演技はスピードあって、振り付けも独特で面白くて見ていてワクワクしました。ミスというミスもなくて素晴らしい出来でした。ドイツ代表ですが、女性のサフチェンコさんはウクライナ出身だそうです。
5位 INOUE & BALDWIN
演技を見ながら思わず応援に力が入ってしまいます。特に男性のボールドウィンがジャンプが苦手なので、ハラハラします。他のトップのペアが単独のジャンプが3回転(3T)なのにこの組はダブルアクセル(2A)です。男性がジャンプが苦手なのでダブルアクセルを確実に飛んで、その分スローイングジャンプを他の組が3回転(3Lo、3Fもありました)のところ、トリプルアクセルを持って来る戦略だったと思うのですが、スローイングトリプルアクセルの着氷で井上怜奈選手が惜しくも転倒してしまいました。その他のスパイラル、スピン等の要素はバッチり合っていて良かったです。転倒があった割りには得点が出た方だと思いました。フリーは井上さんの地元日本の応援もあると思いますし、今シーズンで引退するそうですので、悔いの無い演技を期待したいです。
井上選手がガンを克服してフィギュアスケートを続けた話は有名ですが、去年のトリノオリンピックでフィギュアスケートの実況解説をしたNHKの刈谷アナウンサーが、オリンピック中に井上選手のお母様に取材した話を読むと泣けてきます。興味のある方はコチラ→★ クリック
4位 KAWAGUCHI & SMIRNOV
実はこの組の演技をものすごく楽しみにしていました。オリンピックでペア12連覇(50年弱)のロシアが、外国人選手を代表にした事で注目が集まっているそうです。川口悠子選手は昔、違うロシア人選手と組んでジュニアワールドで銀メダルを取った事のある実力者です。あこがれの選手を指導したコーチに指導を受けたくてロシアに渡り、ジュニアワールドの時のパートナーとはペアを解消してパートナーを探しながら、黙々と一人で練習を積んだそうです。今回の川口選手のパートナースミルノフとは去年の4月にペアを組んだばかりだそうです。しかも12月に練習で足の骨にヒビが入って、ロシアの国内選手権にも出られずギリギリになって世界選手権の代表に選ばれました。
演技は、ロシアの伝統を感じさせるしなやかな滑りに、力強さがありました。実力者が揃う中でパーソナルベストを更新していきなりショートプログラム4位の快挙です。川口悠子選手は世界選手権やGPシリーズのような国際大会は出られますが、オリンピックに出るとなると、ロシアの市民権を得ないといけません。日本は二重国籍を認めていないので、川口選手も今後悩むところだと思います。川口選手のお話はコチラに詳しく載っています。→★
1位 Shen & Zhao
去年は男性のZhaoのアキレス腱を切る大怪我をして、なんとか出場したトリノオリンピックでは銅メダルでした。以前のこのペアの勢いはすっかり影を潜めて、4位のペアの方が良かったんじゃないの?と素人ながらに思いました。
昨夜、テレビでオンエアされたのはトップクラスの選手の演技ばかりだったのですが、その中でもこのペアは演技が始まった瞬間から他のペアとは違いました。競技なのにアイスショーを見ているかのように惹きこまれました。それでいて技術も素晴らしく、幅のあるスローイングジャンプの高さにはビックリしました。文句なくパーソナルベストの得点を更新して堂々の一位でした。長野オリンピックの頃はジャンプやツイストリフトなどの技術力のすごさと衣装の垢抜けなさ(失礼!)が目立っていましたが、ペアのキャリアが作り上げる世界は「ものすごく素晴らしい」としか言い表しようがありませんでした。
男性のZhoaのアキレス腱の怪我は今でもジャンプを飛ぶのに支障があるそうです。当初、今シーズン限りで引退と聞いていましたが、「出場する試合を制限しながらバンクーバを目指す」そうです。フリーの「タイスの瞑想」は美しいプログラムなので、楽しみです。
追記
niftyのレポート を見ると、一旦今シーズンでアマチュアを引退するそうです。バンクーバは見据えていないわけではないけれどその時になって動向を見るそうです。ISUのレビューに載ったインタビューの一部にI hope we will earn another personal best score tomorrow to win these Worlds before we retire”, Zhao said. this Worldでは無くてthese Woldsと書かれていたので、今季で引退かバンクーバまではワールドに出るつもりなのかわかりませんでした。
11位 PETROVA & TIKHONOV
このペアもキャリアの長いペアです。ソルトレークの時はあと少しでメダルの届かず、トリノも確か5位でした。その後の世界選手権では銅メダルでした。かつて世界選手権で覇者になった事のあるペアですが、男性のティホノフが35歳で体力的にかなりキツイようです。ショートプログラムはなんとか体力が持つんじゃないかと思っていましたが、スローイングジャンプの着氷が乱れたり、リフトを降りる時に両足になったり、小さなミスを重ねて、予想もできなかった11位発進でした。ベテランのユニゾンは美しかっただけに残念なショートプログラムとなってしまいました。聞くところによるとトリノオリンピック以降、引退をしたかったそうですが、後に続くロシアの選手が育っていないので、スケート連盟から慰留されて現役続行をしているそうです。
ペアのフリーは明日の夕方放送されるようです。今夜は男子のショートプログラムが放送されます。役者の揃った熱き男の闘い、めちゃくちゃ楽しみです。世界選手権はぴあやイープラスの事前予約でチケットを申し込んだのですが全部外れてしまいました。21日ならまだチケットの取れる可能性が今週末より高かったので、申し込めば良かったと今更後悔です。