息子の聴力が低下してから3週間。

少しも良くならず、私はかなり落ち込んでいた。

子どもたちが寝てから、人工内耳について調べる日々。

今までは手術をして人工内耳をするというイメージがあまり持てなかったけど、少しずつ調べていくうちに現実味が出てきた。

悲しかった。

防げない変動に悔しかった。

守りたかった。

それでも私が前向きでなければ息子が辛いと思って、とにかく人工内耳のメリットをたくさん子どもに伝えた。

息子の不安そうな顔を見て、以前のわたしなら泣いたと思う。

息子を抱きしめて泣いたであろう。

でも、かわいそうと思って泣いたら、息子はかわいそうな子になってしまう。

残念なことだけど、息子はかわいそうな子ではない。

だから泣かないで耐えた。

だけど…

いつも娘がお世話になっているリハビリテーションセンターの先生には電話で息子の聴力低下を伝えていた。

電話ではこらえられた。

でも、その先生に会って顔を見た途端、こみ上げてくるものがあった。

必死に抑えた、けど、

お母さん、ものすごくつらいよね

と、声をかけてもらった。

その瞬間、溢れ出てきてしまった。

涙と共に不安、自分の無力さ、行き場のなかった苦しい気持ちが溢れ出てきて止まらなかった。

娘はそんな私を見ていた。

2歳8ヶ月の娘も私の顔を見て、色々なことを感じていた。

ママ、悲ちいの?泣いてるの?
ママ泣いちゃったね。

思ったことがすぐに言葉になる娘。

強いお母さんじゃなくてごめんね。

どんなことがあっても私だけは笑って応援したいのに、心が言うことを聞いてくれないよ…

娘の前で大泣きしてしまった。

大人の前で大泣きしてしまった。

少し落ち着いてからリハビリテーションセンターに通う難聴の子どものママたちと合流。

泣き腫らした顔を見て、みんなに心配させてしまった。

息子の聴力低下を伝えると、ママたちも私の思いをみんなで受け止めてくれた。

難聴のグループには同じ病気の子はいない。

聴力の変動を同じように心配する子はいない。

でもみんなはその辛さはわかってくれる。

だからすごく救われた。