慶應義塾大学病院の予約が取れてからは、聴力の変動、めまいの有無、ステロイドの使用または不使用など、情報を整理した。

2016年6月に難聴と分かってから2018年7月までの間に、聴力検査は100回近く行っていた。

変動を繰り返していたので4ヶ所の病院、療育センターなど検査結果は様々で見づらいのでノートに貼り、コメントも書いていた。

願いなど私の思いを書いた日記のようになっていたので人に見せるのは恥ずかしく、夜な夜な聴力検査データをオージオグラムの表に書き写した。

2人分の検査結果をもち、慶應義塾大学病院へ。

まずはペンドレッド症候群の研究の成果を教えてくれた。

記事のように医学用語ばかりで難しい説明ではなく、とてもわかりやすかった。

そして私が心配していた治験中の変動時にステロイドを飲んで良いか。

だめだった。

やはりシロリムスという治験の薬の効果を見るために、ステロイドは使えない。

更に他の病気になった場合にも治験中でシロリムスを飲んていることを伝える治験カードがあるので持ち歩くそう。

治験担当の医師に電話で薬を飲むことも伝えなければならない。

シロリムスはプラセボの可能性もある。

効果がないこともあるし、変動した時に対応が遅れ、聴力低下する可能性もあるから、怖いと感じてることも伝えたけど、治験はいつでも辞められるとのこと。

それならばと治験に参加することにした。

細かく治験について書かれた書類を読み、サインした。

これから10ヶ月の治験の生活。

ドキドキだった。

治療方がない病気、変動を止めるために体を張った決断。

これしかない、やるしかない、どうか効きますようにと願い続けた。

続く