前庭水管拡大症と分かったあと、医師に遺伝子検査を受けるか聞かれた。
遺伝子検査を受けると、ペンドレッド症候群かどうかがわかる。
またしても難しく、しかも新たな病名。
ペンドレッド症候群とは。
感音性難聴
甲状腺腫
(10歳前後に1/3の確率で甲状腺に良性の腫瘍ができる)
ヨウ素有機化障害
(遺伝子によってペンドリンという蛋白が甲状腺濾胞にヨウ素が運ばれない)
つまり前庭水管拡大症だけでなく、甲状腺の心配もしなくてはいけない。
常染色体劣性遺伝 つまり、両親共に持っているペンドレッド症候群の遺伝子を2つ共受け継ぐ場合にだけ発症する。
そのペンドレッド症候群の遺伝子の保因者(1つだけ受け継いだだけで発症はしていないが、その遺伝子を持つ人)の割合は、
何と100〜150人に1人。
前庭水管拡大症というのも遺伝子で決まるけど、ペンドレッド症候群だったとすると
たまたま私と主人がその珍しい保因者で、
たまたま結婚して、
たまたま1/4の確率で2つ共受け継いだ
ということになる。
日本に4000人くらいしかその病気の人はいない。
私の人生の中で補聴器をつけている人との出会いもなかったし、保育園で勤めていても難聴の子は見たことがなかった。
なのにその難聴の中でも更に珍しい病気。
すごい確率すぎて、それが本当に私の息子の病気なのかと信じられなかった。
スッキリしないので遺伝子検査を受けることに。
その時、私はすでに産休に入り、もうすぐ臨月になろうとしていた。
遺伝子カウンセラーの先生はお腹の子も1/4の確率で…
まさかね!
さすがに日本に4000人の病気が我が家に2人はないよね!
だって2人だと1/16の確率だしね!
と、思っていた。