2023.5/24

タシグナ休薬14日目




今日はお母さんと診察に来た。




前回、親と一緒に来るように言われたから。




今は体内の白血病細胞は少ないけど、無治療で3ヶ月くらいすると白血病細胞がどんどん増えて、放っておくと急性転化して、そうなるととても厄介だ、って先生はお母さんに説明した。





それから、今後の治療の選択肢について…




まずはインターフェロンという抗がん剤の注射についてだったけど、これは吐き気や倦怠感、発熱、鬱になったりと副作用が結構強く出やすく、その上これ自体では白血病を治すことが出来ないからおすすめはしないって言われた。





次に、同種造血幹細胞移植



簡単にいうと、ドナーの血液に入れ替える治療で、今の医療では安全に行えると前置きした後、それでも中には亡くなってしまう人もいれば、色んな合併症が起こることもあるそう。




この合併症っていうのがGVHD(移植片対宿主病)と言って、ドナーの血液からしたらわたしは他人だから攻撃してしまうことなんだそう。




移植をしてすぐに出るのが急性GVHD



下痢が続いたり、ご飯が食べれなくて痩せてしまったり、肝臓悪くなったり…などなどあるらしい。




移植してから3ヶ月くらいして出てくるのが慢性GVHD



皮膚がボロボロになったり、どす黒く変色してしまったり、中には急性の症状がそのまま定着してしまうこともあるみたい。



その上、慢性の場合そのほとんどが一生続いてしまうことが多いそうで、今の医学ではGVHDの予測までは出来ないとのこと。





「GVHDの症状を抑えるのに免疫抑制剤とかを使うんですけど、あなたの場合、副作用でそれが使えない可能性があるのと、大量の抗がん剤とか放射線を使う治療になるのでかなり大変だと思います。けど、辛抱強くやっていってうまくいけば結果よかったね、ってこともありえますから」





移植をして元気になる確率はどれくらいあるのか聞くと…一般的に半分くらいだって。



兄弟で移植出来ればそれよりも少しは上がるみたいだけど…。




セカンドオピニオンで10〜30%の人が亡くなるリスクがあるって言われて…奇跡的に生きてたとしても元気に回復するのは更にそこから半分なんだと思ったら…



なんか頭の半分が機能しなくなったみたいに、それから先生の話を理解するのが急に難しくなった気がした…。





先生は妊孕性の話もしてくれた。




移植を受けると、生理が来なくなるから妊娠が難しくなるそうで、卵子を凍結して顕微受精とかで妊娠することは可能だけど、お金がかかることと、卵子の状態にもよるから子どもを授かるかは確実ではない、って。




これも大きな問題って先生が言った通り、わたしも正直聞いててきつかった…。




今は治療でいっぱいいっぱいだけど、もしまた元気になれていつかわたしにもそういうことをちゃんと考えるタイミングが来た時に、現実として受け入れるのがすごくつらくなる気がする…。




まわりはみんな子どもを連れて…話も子どものことばかりになっていくんだろうし…。




想像したらやっぱりつらい…。





「でも、上手くいけば白血病自体おさらばすることが出来るので、移植は踏み切る価値のあるものだとは思います。抗がん剤を飲まなきゃいけなくなる前の生活に戻れる可能性がある唯一の治療ですから」





そして、移植の上手な病院をいくつか教えてもらった。





その時ふと、この前テレビで知ったCAR-T細胞療法のことを思い出して、わたしは適応なのか聞いてみると…



今は主に骨髄腫とかリンパ系の白血病などに対して行われているらしく、最近は骨髄性の白血病に対しての研究も進んでるみたいだけど、慢性骨髄性白血病に対しては日本では現在治療は受けられないそう。



それに、先生の話ではCAR-Tは副作用が強く出るということと、それ自体では今は完治は出来ないってことだった。





他の選択肢として、セカンドオピニオンの先生が言ってたスプリセル20mgを入院して試してみるのもありだけど、まずは小児用量のタシグナ50mgを試そうって言われた。




タシグナは本来の600mgで断薬に成功してる人はだいたい4割らしく、その12分の1の量になる。





そして、一応次回の診察で弟が骨髄ドナーになれる可能性があるのか、HLA型の検査をしておくことになった。




親もドナーになることは出来るみたいだけど、それだと結局GVHDが強く出てきてしまうそう。



父親と母親からそれぞれ2つずつ白血球の型(HLA)を受け継ぐから親は必然的に半分しか型が一致しないし、兄弟は4分の1の確率で完全に一致するって。





色んな話をいっぺんに聞いて、隣をふと見ると、お母さんの横顔がなんだかすごく悲しそうで…





「別に大丈夫だよ!なんとかなるよ」





何も大丈夫なんかじゃないのに、そんな薄っぺらい気休めみたいな言葉しか掛けられなかった。





HLAの検査代は1人3万8千円もするらしい。



今回、わたしと弟の分で7万超の出費…。





「高いんですよ…。昔、なかなか払ってもらえない患者さんがいて、僕のところにも連絡来て、『払ってください』って言っても言っても全然払ってくれないので、もういいやって僕が自分で払ったことありますけど笑」





その話を聞いて、すごいを飛び越えて、やっぱこの先生色々ぶっ飛んでるなって思ったw