2023.2/16
グリベック14日目(200mg開始11日目)
前回⬇︎⬇︎のつづき
電子カルテに『不耐容』って書かれてた。
変薬を繰り返す度にだんだん期待もしなくなって落ち込むことも減っていったはずなのに、実際に見る『不耐容』って言葉はじわじわとそれなりのダメージがあった。
困ってた先生が「よしっ」って言ってわたしを見て…
「タシグナは、一番長く使えたよね。あの時はたしか、副作用を抑える薬を出す前に他に合う抗がん剤があるかもと思って変薬してるから、今度は色々薬を併用しながらやってみようか」
そう言われたけど、もう正直うまくいくイメージも湧かなかった。
前にタシグナを使えたのだって、たったの2ヶ月。
これまでたくさんの薬を併用しても治療継続できた抗がん剤なんかひとつもなかったのにタシグナに限って続けていけるなんてどうせありえない…って思った。
「そんな顔しないで。元気出してよ。次こそは上手くいくって気持ちでやっていこう。7度目の正直だよ」
先生に励ましてもらっても、7度目なのに正直なんてあるわけないと思えた。
そのあとも一縷の望みをかけて、スプリセル20mgがわたしの選択肢になるのか聞いてみたりもしたけど、以前100mgで心電図異常や心肥大、肺高血圧症疑いとか諸々併発したことで、不可能だと言われた。
「禁忌なんですよ。いくら少量でも、一度、肺高血圧になったらまたその薬に戻すというのはダメなんです。痛みとか吐き気とかの副作用なら抗がん剤辞めれば治るんだけど、肺高血圧は薬を辞めても治らないこともあるんですよ。その場合、下手すると心不全になって死んじゃうから」
選択肢にならなかったことがショックではあったけど、スプリセルは死にかけて本当に怖かったから内心ちょっとだけほっとした。
「もしタシグナが今後厳しかったら移植を本格的に考えていきましょう。今はまだとりあえずタシグナをもう一度頑張ろうね」
頑張るよ。
それしかできないから。
「休薬の間は美味しいものたくさん食べて、旅行行ったり、会いたい人に会ったり、羽伸ばしてください。心残りがないようにね。これからは美味しいものも美味しく食べれないかもしれないし。焼肉とかすき焼きとか食べてね。温泉とか行ってきたら?」
美味しいとこなら色々おすすめ出来るって言われて、初めて先生と治療以外の話をした。
先生の趣味はグルメらしい。
ラーメンが好きみたいで、あーぽいぽいって思いながら、おすすめを聞いた。
それと、先生ヌン活してるんだって。
聞いた瞬間、意外だったからちょっと笑っちゃったけど、先生のおかげで久しぶりに笑って元気出た。
わたしも休薬の間に美味しいラーメン食べて、ヌン活しよ☕️