⚠️読んで不快に思う方がいるかもしれません。
かなりブラックです。
25歳で白血病になった正直な心の内です。
広い心で読んで頂けると嬉しいです。



2022.7/30





弟が彼女と実家に来た。



母が、彼女のいる前で、がんになったその周りの人間がどれくらい大変だったかってこととか、わたしが大変だった日々を得意げに何もかも全部ペラペラ喋ってる。


悲劇のヒロインみたいに、まるで母ががんになったみたいに。



喋りたくて仕方ないんだろうな。



長々と喋り続けて「聞いてくれてありがとね〜」って彼女に言ってる。



そんなことまで話さなくたっていいじゃんって思うようなことまで全部。



なんで赤の他人にそんな話を聞かせるわけ?



聞かれたくない。


わたしの了承もなく。


勝手に。



ありえない。




わたしが大変だった毎日をネタにされてるみたいで正直頭にきた。



弟の彼女なんてまともに会話したこともないし、顔すらはっきり覚えてない。



これから先治療していって全部ネタにされんの?


同情されて惨めに生きていくの?




前の病院で、『この病気は死ぬまで治らない』『薬は生涯必要』『妊娠も厳しい』って言われた。

 

これから先、わたしには結婚したり出産したり、そういう幸せはきっとやって来ないんだろうな。



だって健康じゃない人なんてもらってもらえない。


もし仮に本人がよくたって親が出てくるに決まってる。



ちょっと前に母にそのことを相談したとき「結婚して子供いなくても幸せな人たくさんいるよ、そもそも結婚しなくても幸せな人いるよ」って、そりゃいるでしょうよ。


それはその選択を望んでたり、それでいいって納得してる人、それ以外に楽しみや希望が見出せてる人でしょ。



だから言った。


わたしはそうじゃないって。



そしたら「じゃあそのことについては考えないようにしよう!」って、めんどくさくなったのか知らないけど、わたしの親は悩んでる娘にそういうことしか言えないんだ。



考えなくていいなら考えてないって、わからなかったのかな。



一番身近な人に理解してもらえないって残念すぎる。



「体外受精でうまくいった人周りにいない」なんてことまで言ってくるし、あなたがどれほど無知でも、悩んでる娘にそんなこと突きつけてどういうつもりなんだろう。



結婚願望もなかったし、子供もあまり好きじゃなかったけど、いつか自分にもそんなタイミングが自然にやってきて、そんな未来があるって疑うこともなかった。



だから、もう叶わないんだってわかったら結婚してみたかったなとか、自分の子供抱っこしてみたかったなとか思うのはおかしいことなのかな。



そんなことも全部母には打ち明けてたのに、すごく悲しくなった。




子どもを連れたお母さんや、健康で幸せそうな同世代の子を見たり聞いたりすると羨ましくなる自分にも、もういい加減嫌気がさしてきた。



誰だって自分の思い描いてた通りの人生にはならないことは分かってても、これから先、周りの友達がみんな結婚して、子供が産まれて、素直に祝福する一方で、きっと心のどこかは虚しくなる。


病気になった自分を呪いたくなる。



高額な医療費だって生涯払い続けないといけない。


自分のしたいこと、自分の楽しみにお金を使うのも、はばかられるようになるのかな。



そしたら仕事だって一体何のために働くの?


ただ医療費稼ぐため?



わたしの人生これから先ずっとこんなんなのかな…。


治療を続けて生きながらえて、わたしは自分らしく生きていけるのかな。




自暴自棄とか

投げやりなわけでも

死に急いでるわけでもない。



けど色々悩んで考えて、治療なんかもうやめようって決めた。




浅はかだって思われるかもしれない。



けどこうすることが自分にとって一番だと思った。



これがきっと自分の運命なんだって割り切って、それなら病気なんかに縛られないで今まで出来なかったことや、やりたいことを全部やって最後まで自分らしく生きれたら、きっと毎日笑顔でいれる。


そう思ったらやっと気が楽になった。




「治療したくても出来なかった人がいる」なんて母は言うけど、もうあなたの言葉はちっとも響かない。



わたしの人生を他の人と比較しようとしないで。


もう誰かの顔色をうかがって生きていくのはうんざり。



「それなら私自殺する」とか母は言ったらしいけど、とことん自分勝手だと思うよ。


もう勝手に言ってろ。



そういうのが更に娘を追い詰めることだって多分言ってもわからない。


だからもうあえて言わないし、わたしの気持ちも変わらない。



あと生きられるのが数年でも、それが病気が進行してつらい数年でも、それが運命なら受け入れる。




思い返せば、21才までは父親からの虐待に怯える毎日、楽しい人生なんかじゃなかった。


普通の生活を送ることが何よりも夢だった。



それでもいつかこんな経験も誰かの役に立つって信じてなんとか生きて来た。



けど、このまま生きたって心は死ぬんだ。



25才からは病気で薬漬けの人生…?



わたしの人生って一体何だったんだろう。


もう笑えてくる。



何のために生まれて来たんだろう、そんなこと考えても馬鹿馬鹿しくなってくるだけ。



わたしの人生なんだから、周りの顔色をうかがって生きていくなんてそんなバカげた生き方はもうしない。


もう誰かのためなんて考えるのはやめてやる。



最後くらい自分のために生きたっていいじゃん。




努力してやっとの思いで実家を離れた4年間が自分らしくがむしゃらに生きた4年間だった。



それまでみたいに泣くことなんてない、つらくて痛くて悲しい思いなんてしない。


仕事をして、自由に、自分の好きなことができた。



その思い出があるからもうそれでいい。





残りの人生、自分のために悔いなく生きてやる。