2022.7/4
病院からの帰り道、お母さんをアパートにおろしてそのまま車で職場に行った。
仕事を休まなくちゃいけなくなったから、上司に報告して色々と書類をもらう必要があった。
上司に「クビですか?」って聞いたら、笑って「そんなことないよ」って言われた。
よかった…。
一番心配してたことだった。
もう定時は過ぎてたから残業してる友達や先輩と会った。
「大丈夫?」
「診察どうやった?」
声をかけてくれて励ましてくれた。
気にかけてくれてたことがありがたかった。
「頑張って!」
「絶対大丈夫!」
「待ってるよ!」
その言葉が嬉しかった。
本当に嬉しかった。
日頃から釣りに誘ってくれる先輩が、
「応援しながら待つこと以外に海に連れて行ってあげることが出来るからいつでも呼んでね、迎えに行くよ」
そう言ってくれた。
嬉しくて、ありがたくて、涙が出た。
また先輩と釣りに行きたい…。
帰り道グレープフルーツを買って帰った。
帰るとお母さんがご飯を作ってくれてた。
「おかえり」って言ってくれたお母さんの目が腫れてて、あー泣いてたんだな…って思って、ただただ申し訳なかった。
ご飯とお味噌汁
豚肉のアスパラ巻き
キャベツの千切りサラダ
ピーマンの煮浸し
たたききゅうり風
あと買ってきたグレープフルーツの酎ハイ
久しぶりのお母さんの手料理、本当にどれもおいしかった。
けど…頑張っても会話は弾まない。
どうしたらいいんだろうって思ってたらお母さんが急に謝ってきた。
「何も謝ることなんてないしお母さんに謝られるとつらくなる…」
「わかった、もう言わないね…」
そんな会話をした。
夜になって一番最初に相談した先輩からラインがきた。
読んでいて途中から泣けてしまって最後まで一度に読めなかった。
自分の中でずっとこらえてた感情が一気に込み上げてきて子どもみたいに泣いた。
この数週間ずっと不安だった。
その結果がこれだ…。
白血病なんて言われてショックだった…。
悲しかった…。
今日一日きつかった…。
本当にきつかった…。
ようやく仕事でやりがいを感じて、任せてもらえる仕事も増えてきて、仕事が楽しいと思えてきたとこだったのに…。
悔しくて悔しくてしょうがなかった。
お母さんと職場の人にただひたすら申し訳なかった。
なんでこんなことになっちゃったのかな…。
なんでわたしだったんだろう…。
この先どうなっちゃうんだろう…。
もう何が何だかわからなかった。
先輩からのラインを読んで思いっきり泣くことができた。
お母さんも思わず泣き出して二人で泣いた。
「なんでお母さんはあやにこんな言葉をかけてあげられなかったんだろう。こういうことを言えたら…。あやのまわりにこんないい先輩がいてくれて嬉しい。大丈夫だから。絶対大丈夫だからね」
お母さん、ありがとう…。
そして何より先輩には感謝しかなかった。
先輩からの言葉がなかったら…きっとこうやって泣くタイミングすら分からないまま、お母さんに気を遣って気持ちを抑え込んで、泣きたくてももう泣けなかったと思った。
いっぱい泣いた一日だった。