消滅世界
この夏に読んだ本の中の1冊。
「あぁ、この先無くはないな…。
こんな考え方もあるのかも知れない…。」
そんな風に思えた作品でした。
この中の世界観には怖さをはらみつつも、
全否定が出来ないと言いますか。
「こんなこと有り得ない!」と読み始めたはずが、読み進む内にその感情がどんどん変化してしまう怖さ。
この先何十年後には現代の〝普通〟や〝常識〟なんてひっくり返ってしまって、全く別次元の〝普通〟が普通になっていることは十分に有り得ますもんね。
その頃に自分がこの世に存在するのかは知らんけど
村田沙耶香さんの作品、この他にも
2016年の夏に読んでました。↓
「世界消滅」は2015年に出版された作品で、「コンビニ人間」より先に書かれた作品だったんですね。
【令和4年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。(厚生労働省HPより)】
発売された平成27年頃はまだハードルがあった保険適用が実施されている今だとよりリアルに感じる内容ですが、今から8年以上も前の時点で
「世界消滅」の発想が浮かんでいることに
村田沙耶香さんの鋭い着眼点と想像力の逞しさを感じます。
多様性の社会が進み、様々なことに対する選択肢が増えて自由度も増していく中で、私たちはこの先何処へ向かって行くのだろう…と考えずにはいられない。
SFホラーの様でとてもリアルな気もする。
この本を読んで〝新しい視点〟を貰いました。
@MOTO COFFEE
大阪の好きな景色
土佐堀川と中之島公園を眺めながら。