世界の縮図



監督・脚本の他、出演もしているナディーン・ラバキーさんがインタビューでこの映画について、

基本的な権利が与えられず、教育、愛までも受けることができない全ての人たちへ向けたもの。この登場人物たちが生きる暗い世界は、来るべき時代を表すもので、世界中にある大都市すべての行く末なのです。

と答えています。


まさにこの問題は途上国や内戦の多い国だけの話しでは終わらず、ここ数十年で日本でも進む格差社会による皺寄せが子どもたちに向いているなぁ…とゾワゾワします。



映画に出演している役者さんたちは皆、それぞれの演じる役柄と自身の生きている日常がリンクしている部分が多く、セリフとして発せられる言葉や動き全てにリアリティがあって、フィクションと言うよりもドキュメンタリー映画の様です。



きょうだい思いで、賢く、我慢強く、諦めない心を持った主人公〝ゼイン〟を演じたZain Al Rafeea(ゼイン アル ラフィーア)くんの〝目は口ほどに物を言う〟な目力に引き込まれました。


映画のクライマックスで彼が大人達へ向けて言うセリフには、虐待を受けたすべての子どもたちの本心が詰まっていると思います。




この映画に出て来た子どもたち皆んなが、安心して過ごせる家庭と、温かいご飯と、綺麗な布団の上で寝られる生活を送っていることを願い、負の連鎖が断ち切れている事を祈ります。



10月10日で19歳になる彼が、今は移住したノルウェー🇳🇴でどんな青年になっているのかとても気になります。



多くの人に観て貰いたい映画です。

是非。

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