https://bookmeter.com/books/19149272
ディズニーランドにはそこまで興味がなく、最後に行ったのは中学時代の修学旅行ですが……
何となく興味をひかれて図書館で借りてきました。読み終えたあと猛烈に「ああ、仕事がしたい!」と思えました。
57才で会社を早期退職した作者がディズニーランドのキャスト(準社員)として再就職して定年の65才まで働いた経験が淡々と書かれているエッセイです。
この作者さん、高学歴だし前職では有名企業で支店長まで出世したエリートなんですね。
そんな人が、57才にして若者に混じってディズニーで働いたってすごいな。上司も当然年下だろうに…
すごく柔軟な思考を持っているんだなと思いました。
(まぁディズニーキャストは75%が準社員で給料も時給制で低賃金ということだから、逆に言えばこれまでしっかり稼いできたエリートだからこそ生活の心配がなく働けたのかもしれませんが)
ディズニーキャスト自体が、学生から60代から外国人などいろんな人が入り交じっているようで、作者さん自身が若者とのコミュニケーションを楽しめる人だったんですね。
学生の就活のアドバイスをしたり、就職のお祝いをするシーンが微笑ましかったです。
私はアラフォーですが、20代からずっとコールセンターで働いています。今さら新しいことにチャレンジする気力はないし、これからも転職はするかもしれないけど、ずっとコールセンター業界を転々としていくんだろうな🌀というあきらめを持っていたのですが…
いくつになっても新しいことは始められるんだ!という勇気をもらいました。
(でも他にやりたいことはないから結局コールセンターなんだろうけどw)
4月から息子の保育園入所が決まり、仕事復帰をすることになり憂鬱でしたがこの本を読んで少し前向きになれた気がします。
夢の国ですが、当然嫌な上司や同僚がいたり、ゲストの嘔吐処理や動物の死骸処理などのあまり目につかない仕事について書かれているのもリアルです。
淡々と書かれている文体なので、あまり仕事の格言的なものはありませんが
「どんな人にも良いところは必ずある。嫌いだと思えば悪いところだけが目に入るようになるだけ」
「向き不向き関係なく、やるしかなければ人間やれるもの」
という言葉が良かったですね。
結局仕事を続けられるか続けられないかは人間関係が大きいのかな?
でもディズニーランドは従業員がすごく多いし、嫌な人がいてもその人だけと深く関わるわけではないから案外大丈夫そう。だから作者も続けられたのかな?