【月曜の仕事コーデ】
この日は朝10時の仕事の前に9時から劇場の総会。
出席は各自自由だけど、
なんせ新入りなので劇場全体のことやバレエ以外のセクションの人たちのことを知らなくてはな…と出席しました。
社長さんの話は1分ほどで短く終わり(すんばらしぃ!)、
来賓ふくめ他の人の挨拶も一切なしで(すんばらしぃ!)、
後は何をするのかなぁと思いきや、
新しい従業員は名前を呼ばれて一人ずつ壇上にあがり、
社長さんから歓迎のお花をもらうというセレモニーが用意してありました(こはずかしぃ!)。
よかった、破れたジーンズとか変な英語のTシャツとか着てなくて。
しかもこのブラウス、バレリーナが踊ってる絵のTシャツ!
うそ。ホントはトンボの絵。
この日は途中45分の休憩を挟んで、
朝の9時から総会後、
10時から18時までクラス&リハ。
【火曜日の仕事コーデ】
この日は超忙しかった。
今日は劇場で保護者対応もあるので清楚な格好で。
というのも、
私の契約には劇場付属児童合唱団の伴奏が盛り込まれているのです。
今シーズンはこの直近の2か月間だけでもバレエ『くるみ割り人形』の合唱部分と舞台上での演技、
オペラ『ラ・ボエーム』の第2幕での子供たちの長い登場シーンと、
劇場付属合唱団の子どもたちは大忙しです。
毎週火曜日の15時から17時までが子どもちゃんたちの合唱練習日。
バレエも毎週火曜日のその時間に子どもバレエのクラスがあるので、
その時間帯はバレエスタジオを明け渡すためバレエ団のリハがないのです。
よって普段のバレエ団は朝10時から18時までのクラス&リハですが、
火曜日のみ10時から14時まで働き、その後再び18時から21時までのリハになります。
私はその間の15時から17時まで児童合唱団のほうに伴奏に行くのです。
トータル2時間の休憩があるとは言え10時から21時までずっと劇場にいることになる私。
私に冷蔵庫と布団をください。できれば羽毛の。
で、この日はシーズン始めということで保護者説明会。
劇場の合唱指揮者から保護者に向けて、
「新しい指導者のアヤ マサオカさんです。彼女は日本出身です。今シーズンからバレエのレペティトゥアとしてこの劇場に迎えました。」
と私のことを紹介してくださり、
私もその場でお辞儀しつつ微笑みながら頷いて立っていました。
「それではマサオカさんからご挨拶を。」
・・・・。
( ̄▽ ̄)"
なぬ?
そんな流れは聞いとらん。
合唱指揮者に目で「無理無理!」と訴えたけれど、
敢え無くスルーされてしまった。
「えぇっと、
アヤ マサオカです…。」
とりあえず、一瞬にして消去してしまった微笑みだけは修復せねば!
「今、合唱指揮者が言ったように、私は日本出身です。」
私が日本出身ということは合唱指揮者が既に発言済みだが、
『今、合唱指揮者が言ったように』という構文を使うことで、
気持ちが落ち着くまでの多少の時間稼ぎができた。
しかも、ちょっと賢そうに聞こえるではないか。
その手法で微笑みと落ち着きを取り戻した私は、
そこから一気に話し出しました。
「日本にはライプチヒのゲヴァントハウスのような素晴らしいコンサートホールがいっぱいあります。」
うんうん、イイ感じ。
既出の『日本出身です』ともちゃんと関連してる。
ライプチヒもこの街から近いから保護者にも子どもたちにも分かりやすい。
「でも、ここの劇場のように毎週末オペラやミュージカルやバレエの公演が行われている劇場はなかなかありません。
そういった意味で、劇場付属の子ども合唱団もありません。
だから、私にとったらこの劇場は夢の国です。」
なんと、ここで保護者と指導者チームから拍手と歓声が起こりました。
アメリカの大統領選挙演説とかで見たやつやないかーー!
「私が13年前にドイツに来て、今シーズンこの街に来て、そして今日皆さんと会いました。
これは奇跡です。
皆さんと一緒に音楽が出来ることを幸せに思います。」
ふぅ・・・、終わったぁ。
拍手をもらいながら、椅子に倒れ込むように座りました。
決して完璧な発音でも文法でもないけれど、
私の気持ちは伝わったみたい。
保護者説明会が終わった後、
合唱指揮者に「下手なドイツ語でごめんなさい。」と謝ると、
「いえいえ! 保護者にはあなたの人柄を知ってもらいたかったんです。 今日保護者はあなたを見て安心したと思いますよ。」
と言ってくれました。
その後は18時からバレエ団のリハ。
ガラコンサートでやるオペラ『スペードの女王』バレエシーンのピアノリハです。
それが終わった後はバレエ監督と一緒に音響セクションとのミーティング。
その途中で監督が「Ayaはもう今日働き過ぎで可哀想だから、家帰っていいよ。僕一人で対応するから。」と言ってくれました。
「いやいや、残るよ。」と渋る私に、
「大丈夫! また明日ね。今日は早く休んで。」と監督は優しく見送ってくれました。
が、
帰宅後、監督から電話。
自分のリハーサルノートを見ながら監督と電話でやり取りする夜となりました。
【水曜の仕事コーデ】
オシャレなイタリア人バレリーナちゃんが、
「わぉ! Aya,COOL!!」
と褒めてくれたコーデ。
ここのバレエ団はバレエ監督がイタリア人だからなのか、
ダンサーもイタリア人率高し。
監督はオシャレで優しくて親しみやすくて魅力的で、
それでいて安易に近づけないようなカリスマ性があって、
なんていうのかな、
私は彼の一挙手一投足にバレエのさらなる面白さを感じているところです。
【今日の仕事コーデ】
やっとここ。
今住んでるところは、前のところより大体気温が5℃ほど高いのでまだまだ真夏日。
クーラーのないバレエスタジオはかなりきつい。
それに午後のリハだと丁度ピアノ弾いてる場所にもろ日差しが当たる。
来週からは天気も気温も下り坂とのこと。
まさか、それを私が楽しみにしてるような日が来るとはな。
さぁ、今週あと金曜日と土曜日、頑張って乗り切ります!