先日NHK・BSプレミアムで、
『スイーツ紀行”オリエント急行ライン お菓子秘話 イギリス~ドイツ”』
を見ていました。
ドイツで紹介されたお菓子はバウムクーヘンでした。
ドイツに来て以来10年・・・、
実は美味しいバウムクーヘンなど食べたことがありませんでした。
バウムクーヘン専門店も私の街や行く先々でもなかったし、
スーパーで買うバウムクーヘンなどパサパサしてるわ硬いわで、
日本のコンビニで売ってるバウムクーヘンのほうが柔らかくてしっとりしてて何10倍もおいしい。
滋賀県にあるクラブハリエのバウムクーヘンなんてもう神の域であると思っていました。
でもドイツって言えばバウムクーヘンだよね!みたいになってて、
両親がドイツに来たときもスーパーで売ってるバウムクーヘンを見つけては、
「お! これが本場のバウムクーヘンか!」
と言ってお土産に買って帰るので、
(いやいや日本のほうがおいしいって。。。)と心の中で思っていました。
今回のテレビ番組、
旅の案内人は高島礼子でしたが、
下車した街はザルツヴェーデルという街でした。
ドイツ生活の長い主人もその街がどこにあるか知らないようでした。
調べてみるとザクセン・アンハルト州にある街で、
ベルリンの北西に位置していました。
日本に劣るバウムクーヘンを味わってどんな反応をするのかなと思ったら、
私の予想に反して大変感激している様子。
テレビ撮影だしな・・・とまだまだ半信半疑の私でしたが、
お店で働くご婦人のお話にどんどん引き込まれていました。
このザルツヴェーデルはバウムクーヘン発祥の地でした。
第二次世界大戦後、
ドイツは東西に分断され、
東ドイツとなったザルツヴェーデル。
このバウムクーヘンのお店はとても繁盛していましたが、
ある日お店のおばさんは、
ふと窓から覗いている国家警察の姿に気が付きました。
東ドイツでは儲かっているお店は国営にして、
その売り上げを国の物にしたのです。
このバウムクーヘンのお店も当然そのターゲットにされました。
且つ国家警察は、
今までのレシピを国家が考えたレシピに変えるよう命じました。
もっと安い材料を使って作り、
外国へとたくさん輸出して、
外貨を稼ぐのが目的だったのです。
お店のおじさんとおばさんはもちろん反対しました。
そしておばさんは逮捕されてしまったのです。
これが共産主義なのです。
数年後おばさんは釈放されましたが、
レシピを国家のものに変えざるを得ませんでした。
バターはマーガリンに、
チョコレートはオイルとココアに・・・。
自分たちが昔から作ってきたバウムクーヘンの味とは全く違うものでした。
ベルリンの壁が崩落し、
1990年ドイツは再び統一。
バウムクーヘンのレシピは伝統のある昔ながらのレシピに戻りました。
国家警察と闘ったおじさんとおばさんはそれを知ることなく、
統一の3年前に亡くなったそうです。
この番組を見終わって、
私はこのバウムクーヘンが食べたくてたまらなくなりました。
夫に相談すると「じゃ、夏行く?」と言ってくれたのですが、
私の脳内は夏を待たずしてすっかりバウムクーヘン一色。
夫がいろいろと調べてくれた結果、
ザルツヴェーデルにはいくつかバウムクーヘン店があり、
お店によってはオンライン注文が出来るとのこと、
早速頼んでもらいました。
待つこと数日。
届きました!
リボンも付けてラッピングしてもらってます。
ザルツヴェーデルのものだよ!という意味の、
SALZWEDELERと書いてあります。
でこぼこしてて本物の木っぽいのが、
機械ではなくちゃんと職人の手で作りあげられているのが分かります!
3段注文しました。
すっごく大きいです。
バウムクーヘンそのものの味を楽しみたかったので、
プレーンを選びました。
さぁ実食!
お店のおばさんが横に薄く切って食べるのがバウムクーヘンの食べ方と言ってたのでその方法で。
なーにーこーれー!!
こんな美味しいバウムクーヘン生まれて初めて食べたー!!
ヤバすぎる美味しさ!
いいバターの香りがするし、
食べた時の舌触りもふわふわ。
これが本当のドイツのバウムクーヘンなのだー!
日本のほうが美味しいとか言ってごめん。
この3段バウムクーヘン・プレーン味。
送料込みで42ユーロ(日本円で約5600円)。
お値段もお味と一緒で高級です。
あっという間に1段目食べ終わって、
あと2段残ってます。
全部なくなるのも時間の問題。
もうこれからはスーパーのは食べられないので、
頑張ってバウムクーヘン貯金します!