23:50 子宮口全開 1〜2分間隔

 

「頭見えてきてるよ」

と言われ

助産師さんが

カメラをセッティングしてくれる。


 

陣痛と陣痛の間は

ほとんど痛みがなく

ちゃんとメリハリがあって

お休みが来ていた。

 

長い休憩の時もある。

 

呼吸を整えたり

喋れる時もある。

 

赤ちゃんが起こす

自然の波。


陣痛の時は「ん!」と

お腹に力を入れいきむ。

 

休憩の時はしっかり呼吸を整える。

 

この時

安心のためと

オキシトシンを出すために

夫の目を見つめるようにした。

 

(夫はこれが嬉しかったみたい)



 

でも正直

「あと何回来るんだ…」

とも思う。

 

「あと何回がいい?」と聞かれ

「あと3回…」と言ったら

「じゃあちょっと長めに止めなきゃね」

と言われ

「もうちょいかかるのか…」

と思う。

 

次の陣痛が来るのは

なんとなくわかる。

 

陣痛に合わせて

「ふん!」と力を入れる。

 

助産師さんが

お腹の力を入れるところを

押さえてくれて

「ここ!」と言ってくれる。

 

エネルギー源に

チョコをもう1回口に入れる。

 

夫の目を見ると

安心する。

 

 

 

 

0:00

 

「頭見えてる!」

「出てきてるよ!」

と言われる。

 

いきむけど

うまく力が入らない。


便秘でうんちが

出ない時のような感覚。

 

助産師さんに

「いきむとき自分の足を抱えな」

と言われ

「はい!」と言う。

 

次の陣痛の波が来て

ガバッと足を抱える。

 

結構頭が出てきて

頭を触らせてもらう。

 

最初わからなかったけど

手を伸ばしたらいた!

かたくて、

でも髪の毛がある感じが分かる。

 

赤ちゃんに

「あとちょっとだよ〜」と言う。

 

陣痛の間は

喋ることができる。

 

次の間は

長いお休みだった。

 

赤ちゃんが最後のために

長めに休憩くれたんだと思う。

 

長いお休みの後

陣痛が来るのを感じて

足をガバッとあげてもう一度いきむ。

 

「長く〜長く〜」と助産師さん。

「いけ!よしよし!」

と言ってくれる夫。

 

頭が出たようで

夫が「うわぁ〜!」と感嘆の声。

 

助産師さんに

「もういいよ〜、ハァハァ吐くだけ〜」

「ラクにして〜」

と言われて

ハァハァと息を吐く。

 

この時はもうあんまり痛くない。

 

手を伸ばすよう言われる。

ベビちゃんが足の間から見える。

脇の下に手を入れると

そのまま抱き上げる形で

自分の方に

「おいで〜」と引き寄せる。

 

助産師さんの補助もあり

どぅるんと身体が全部出て

自分で抱き寄せる。

 

濡れている…。

あったかい…。

ぬるっとしている…。

 

やっと会えたね…。

 

「よく来たね〜」

「おめでとう〜」

「よーやったねぇ〜」

 

と赤ちゃんに声を掛ける。

 

赤ちゃんは重たくて

生温かい。

 

「ギャーギャー」と

ガラガラとした泣き声。

 

「すごいねー」

「出たー」

と自分にで確認するように

声に出す。

 

 

事前に

出産直後のお母さんは

赤ちゃんを見つめて

しばらく経った後

周りに意識が向いて

そこで初めて

夫に向く余裕ができる。

 

と言うことを

聞いていたので

夫も少し見守ってくれていた。


私も自分の感情を味わってから

 

夫の方を見て

「よかったね〜」

「生まれたね〜」

と声をかけあった。

 

 

よくやったなぁ、私。

そして赤ちゃん。

 

そしてずっと寄り添って

横で励まし続けてくれた夫。

 

みんなで頑張ったね。

みんなで産んだね。

 

と言えるお産。


幸せなお産。

 

 

 

その後

しばらく胸に抱かせてもらって

その間に胎盤も出た。

 

胎盤が出る時は

「イタタタ…」

と痛かったような。

(もう痛みは忘れています)

 

そして

へその緒を触らせてもらった。

 

今まで赤ちゃんに

酸素や栄養を送ってくれた

へその緒。

ドクドクいっていた。

 

私たちは

へその緒がお役目を果たしてから

切りたかったので

拍動がおさまるのを

待ってもらってから

夫にへその緒を切ってもらった。

 

「自立だ〜」と言いながら

へその緒を切る夫。

 

思ったよりかたくて

「ホルモンみたい!」

と言っていた。

 

その後夫も上半身裸になり

カンガルーケア。


それもまた

幸せな光景。

 

会陰は

マッサージむなしく

裂けてしまったので

クリップで止めることに。

 

これがまた痛かった。

 

でも

それ以上に

赤ちゃんと出会えた幸せと

無事に生まれてきてくれたことで

安らぎホルモンが

ドバドバ出ている感じだった。



「あ〜、良かった〜」

という達成感と安堵感。

マラソンを走り終えたような

爽快感。

 

 

夫からは

「本当にすごいよ」

「女の人はすごい」

「頑張ってくれてありがとう」

と言ってもらえ

 

私も夫に対して

「一緒にいてくれてありがとう」

「支えてくれてありがとう」

「本当にありがとう」

と言える出産だった。

 

 

 

その後

赤ちゃんに洋服を着せてもらって

私も綺麗にしてもらって

3人で助産院の畳の部屋で

初めて川の字になって寝る夜。

 

 

産後のドバーッとした

ハイというよりは

わりと冷静な

でも穏やかな感じで

私も夫も

出産の余韻に浸りながら

「良かったね〜」

「いい体験だったね〜」

と振り返った。

 

 

 

横には生まれたばかりの赤ちゃん。

 

まだ不思議な感じだったけど

私たち家族にとって

かけがえのない


そしてこれから続く

幸せな毎日の

スタートになる1日だった。




おめでとう息子。