19:45


荷物を取りに帰った夫が

助産院に戻ってくる。

 

この時は5分間隔くらい。

陣痛は少し増して

喉を広く開けて

痛みを受け流すのが楽だった。

 

細い息だと逃しきれなくなってくる。

 





20:00


助産院の2階の

和室の部屋に移動。

 

陣痛の間は痛みがないので

まだ歩けて

「よいしょ、よいしょ」と

言いながら階段を登れる。


大きなビーズクッションがあったので

背中を預ける感じにして

仰向けになる。



 

 

 

21:00

 

夫がビデオをセッティングし

回してくれる。

陣痛の間には私も

「撮れてますか?」

「6月7日…今何時?え、もう21時?」

と喋れるし

ビデオに向かって手を振る余裕もある。

 

「今陣痛が来ているってことは

12時間コースで8日生まれになるか

24時間コースで予定日通り生まれるかだなぁ」

と思う余裕もある。

 

ベビちゃんに栄養を送るためにも

私のスタミナのためにも

夫が作ってくれていた

鶏ハムを食べる。

 

夫が

作ってくれたおにぎりも

温めてくれて

陣痛の間に1〜2口食べる。

 

だんだん痛みが強くなって

少しずつ声が漏れ始める。

 

夫が

事前にかけて欲しいと伝えていた

「大丈夫だよー」

「上手だよー」の声かけをしてくれる。

 

私が自分の感覚に

集中したそうだったのを

助産師さんが察してくれて

夫と2人にしてくれていた。

 

薄暗い部屋の中で

夫も事前の教育のおかげで

動じずに落ち着いて

私に声をかけたり

お水を飲ませてくれたり

汗を拭いてくれたりして

神サポーターだった。

 

 

 

 

21:30

だんだん内側からの力が

強くなってきて

受け流しきれない感じになってくる。

 

夫が

「体勢変えるかい?」と言ってくれて

四つ這いになる。

(提案してくれた夫ナイス)

 

四つ這いになって

ビーズクッションにもたれる姿勢になる。

 

すると一気に進んで

うめき声になる。

 

「出産の時は

自分の感覚や本能に従うのが大事」

と聞いていたので

声を出したい欲求を

出させてあげる。


息で抑えるよりも

楽な気がする。

 

陣痛の波にゆだねるような感じ。

 

声を出しながら

「あぁ…私ってこんなに感覚のまま

わめいたことなかったな」

と思って

これを解放したい気持ちになる。

 

泣きたいような

内側から溢れるエネルギー。

でも頭は冷静。

自分の感覚を出させてあげる。

 

他に人がいないし

助産院は静かなので

おおいにそれがしてあげられて

良かった。

 

夫も

「好きなように、好きなように〜」

「声出していいよ〜」

と言ってくれて

それも安心して出せた。

 

 

 

 

 

22:00

 

助産師さんが部屋にきて

子宮口を見るから仰向けになる。

 

子宮口全開とのこと。

「え!もう全開!」という気持ちと

「初産だとここから2時間くらいだな… 」

と冷静に捉えられる自分。


 

間隔は2〜3分になって

より一層声が大きくなる。

 

「あ〜」と長く息を吐いて逃すが

声が高くなってくる。

 

助産師さんに

「ちょっといきみたい感覚ない?」

と聞かれ

「あるような気もするけど

合ってるか分からないです…」

と答える。

 

まだいまいち分からない感じ。

 

でも

「あやさんの感覚合ってるから

それでいいよ」と言われ

ちょっと安心。

 

この時パンツ脱いだのに

またパンツもズボンも履かされたことに

夫は(まだ全然出て来ないんだな…)

と感じたらしい。

 

陣痛と陣痛の間は

「水…」と言ったり

呼吸を意識し直したり

「今どんなもんかしら…」

という会話もしている。

 

 

陣痛の波が来た時には

大きな叫びになってくる。

 

(でももう今は

この時の痛みを思い出せないから

ホルモンによる

自然の麻薬物質って

本当にすごいと思う)

 

陣痛が来ると夫もそれに合わせて

「大丈夫だよ〜、上手だよ〜」

と言ってくれる。

 

本当にありがたかった。

 

 

 

 

 

22:30

 

助産師さん2人が入ってくる。

ズボンを脱がせられ

お尻を抑えられる。

 

すると「あぁ〜!」と声が出る

ポイントがある。

 

「力を全部声にするんじゃなくて

止めるといいよ」

と言われる。

 

「こっち!」と

おなかの力入れる方向を言われる。

 

「赤ちゃんちょっと見えてきた!」

と言われる。

 

「ベビちゃん頑張れ〜」と

おなかに声をかける。

 

陣痛がきたタイミングで

力を入れるが

足をつってしまう。

 

うまく力が入らないので

横向きと

四つ這いもやってみるけど

うまく力が入らず難しい。

 

 

しゃがみも提案されたけど

体力に自信がなく

また仰向けになる。

 

陣痛と陣痛の間に水を飲んだり

助産師さんが口にチョコを入れてくれる。

 

だいぶ時間が経ったように思え

日付が変わっていると思ったけど

ビデオのバッテリーを

変えた夫が

「23:00か…」と言ったのが聞こえ

(まだそれしか経ってないんだ…)

(言わないで欲しかった…)

と思う(笑)


陣痛と陣痛の間は

本当に痛みがなくなり

頭も冷静だった。

 

 

 

 (つづく)