前回の

「本陣痛が来た朝②」

からの続き。




午後15時頃から

10〜12分おきに

1分くらいの陣痛が来ている。

 

「本陣痛はドーンと来るから

もっと痛い」

と思っていたため

まだ本陣痛かどうか

確信が持てず。

 

 

18時から助産院で出会った

大学院生さんの研究のインタビューに

答えるのに

助産院で会うことになっていたので

夫と助産院へ向かう。

 

 

 

16時に家を出て

ゆっくり駅まで歩いていく。

 

途中痛みが来て「フー」っと

逃しながらだったので

いつも10分のところ

30分ほどかかる。

 

でも痛みが過ぎれば

階段も昇り降りできる。

 

電車で4駅。

乗っている間も1回

痛みの波が来たので

「フー」と逃す。

 

夫も腰をさすってくれる。

 

 

 

駅に着いて

いつもはバスで10分くらいの距離を

歩いて行くことに。

 

垣根の葉っぱたちが

「沿道で応援している人たち

みたいだね」と夫。

 

「本当だね。ありがとう〜

頑張るからね〜」

と葉っぱにタッチしながら進む。

 

7〜8分で強い痛みが来る。

結構痛い。

 

でも

「本陣痛って耐えられないくらい

痛いって言ってたからねぇ」

と謎にスパルタコーチな夫。

でもこれが逆にありがたかった。

 

「確かにそうだよねぇ。」

と私も歩き続ける。

 

自然の中を歩きたくて

遊歩道みたいな道に入る。

 

緑がたくさん。


人もいないし

気持ちがよくて

気もまぎれる。

 

たいわ師さんとの話で

「おなかの子は自然が好き」

「ママが歩く大地の振動で

僕は地球に降り立つ準備をするよ」

って言ってたから

自然の中を歩けてよかった。

 

「ベビちゃんに

大地のエネルギーを伝えよう」

「どしーんどしーん」と

ここでも名コーチの夫。

 

 


普通の道に出る頃には

もう結構痛いのが来ている。

 

このまま助産院に行って

これが本陣痛なのか知りたい私と

「こんなもんじゃないのかも…」

「また帰って一晩明かすようかも…」

「こうなったら夜は焼肉でも食べるぞ」

と思う私。

 

そして

「まだ本陣痛じゃないんじゃない?

本陣痛って

明らか分かるって言ってたんでしょ?」

と夫。

(この鈍感さに逆に助けられた)

 

 

 

そんなこんなで

1時間くらい歩いて

18時に助産院に到着。

(本陣痛でも歩けるって

本当なんだなと思ったし

実際陣痛も進んだ)

 

なのに誰もいないし

鍵もかかっていた。

 

そういえばもうずっと

私のスマホを見てない、

と思ったら

対面で話を聞く予定が

お子さんの具合が悪くなっちゃって

リモートにしたいと

連絡が入っていた。

 

 

がーん。

 

どうする?

家に帰る?

でもそれならもう別日にして欲しい…

っていうかおなか痛い…

 

と思っていたら

助産師さん登場。

 

 

助産院のPCを使っていいとのことで

中に入れてもらえることになった。

 

 

朝からの状態を伝え

インタビュー相手の学生さんにも

「なので、途中で『フー』って

なるかもです』と伝える。

 

助産師さんも

「気が紛れていいんじゃない?」

と言ってくれたし

学生さんも出産経験者なので

「大丈夫ですよ、逃しながらで」

と言ってくれた。

 

 

「日常の中にお産がある」

という捉え方だからこそ

できる対応だなと思った。

(そして実際2時間近い間

本当に気が紛れてよかった)

 

インタビューは

産前産後の夫婦の関係についてで

 

妊娠から今までの

夫婦の気持ちの変化や

どんな出産をしたいか

などを答えた。

 

「幸せな出産をして

新しい家族のスタートにしたい」

という想いを

出産前に2人とも言語化できて

とてもよかった。

 

 

答えながらも

痛みが来たら

正座で体を揺らしながら

痛みを受け流した。

 

 

見守っている助産師さんも

「いい感じ」

「5分間隔になっているね」

「終わったらモニターつけてみようね」

と言ってくれて

「それで一旦帰るかどうするか

判断しましょう」

ということになった。

 

 

一旦帰るパターンもありか…

これで一晩越すって感じかな…

とちょっとガーンとなった。

 

 

インタビュー後半は

呼吸だけだと堪えきれず

テーブルに手をついて

膝立ちで腰を時計回りに

揺らす感じになった。

 

インタビューが終わって

診察室でモニターをつける。

 

仰向けで

ゆっくり静かに息を吐きながら

痛みを受け流す。

 

ドッドッドッドッと

赤ちゃんの心音が聞こえると

ベビちゃんも頑張っているから

私も頑張ろう

酸素を送ろう

と呼吸に集中できて

痛みが少し和らいだ。

 

 

ここで子宮口の確認。

 

事前にイメージしていた

バースシナリオでは

この子宮口の確認で


助産師さんに

「何㎝だと思う?」と聞かれ

『4㎝』と答えるけど

「3cmだね」と言われ

『まだまだだな…』と思う


と書いていたけど

 

その時の私は

まだズドーンという痛みが来ていないし

『2cmくらい…?』

と言ったら

 

「逆パターンよ。

7〜8cm開いてる。」

と言われた。

 

これには私も夫もびっくり。

 

もうそんなに進んでいたのか!

夫とびっくりな顔で

目を合わせる余裕もある。

 

そしてこの内診のタイミングで

破水する。

 

じわーっと温かい感覚。

 

そして夫が一旦

陣痛バッグと入院バッグを

取りに帰ることに。

 

私はモニターをつけたまま

しばらく呼吸で痛みを受け流す。

 

診察室の明かりが眩しく感じて

目にハンカチをかける。

 

スマホも見れたけど

陣痛が遠のいたら嫌だし

もうこのまま集中したくて

実家には連絡しなかった。

 

痛みが増してくると

指揮者みたいに

呼吸に合わせて

吸って吐いての時に手を動かすと

集中しやすいし

楽になった。