【胎児は知っている母親のこころ

子どもにトラウマを与えない

妊娠期・出産・子育ての化学】

 

という本が面白かったので

紹介します。

 







 

 

胎児の成長には母親の色々な要素が重要

 

胎児の発育にとって母親自身の食生活が

重要であるのはいうまでもないが

今日ではそれよりももっと

重要なものがあることがわかっている。

それは母親の体からの入力信号である。

 

母親の態度や感覚、感情、思考などが

複雑にからまり合って信号となり

胎児の原初的体験の世界に浸透し

胎児の心の成長をたえず

導いているのである。

 

 

 

 

母親の安心とストレスの影響

 

母親が愛され

守られている環境にあることが

シグナルをとして胎児に伝われば

成長を促す遺伝子プログラムの

選択が促される。

 

子宮のなかで母親の

過度のストレスや不安や

うつの影響を受けた子どもは

生涯消えない問題を

かかえこむリスクが高くなる。

 

 

 

赤ちゃんの感覚と意識

 

痛覚、視覚、嗅覚などの感覚や意識は

生まれてから芽生えるのではない。

感覚や意識は

もっとずっと前から存在している。

母親がお腹をなでたり、話したり、

歌ったり、歩いたり、走ったりすれば

胎児は感覚機関を通して

その情報を受け取る。

できるだけ多くの経路を使って

胎児とコミュニケーションを

とる努力をすること。

 

 

 

 

 

出生の場面

 

胎児は子宮のなかで

73dBの母親の体の音を聞き

温かさを感じ、母親の心臓の鼓動と声に

親近感をもつようになる。

 

ところが、出生時には、母親の絶叫、

ナースステーションで鳴り響く

電話のベル、胎児モニターの電子音

『いきんで、いきんで!』などの叫び声

医療スタッフの大声での会話を

聞かされる。

 

 

 

 

こうした分娩室は、騒音過多で、

新生児にふさわしい環境ではない。

このような環境の中での誕生は

いってみれば、のどかな田園から、

いきなり車と機械のひしめく

ニューヨーク市のど真ん中に

連れていかれるようなものだ。

 

また、子宮内の温度は母親の体温より

若干高めで

平均すれば37度程度である。

 

 

 

 

ところが、分娩室の多くは

それより約14度も低い。

そのため、表面の脂肪や皮膚の薄い

新生児にとっては

凍えるほどの寒さなのである。

新生児はこの環境で

体温を維持できるほど

体温調整機能が発達していない。

新生児はこうした未知の

不快な環境のなかで自己の最大の変化に

対処しなければならない。

 

 

 

 

赤ちゃんにやさしい出産をめざして

 

照明を弱め、視界刺激を減らす。

周囲の騒音その他の聴覚刺激を減らす。

スキンシップをうながす。

温かさを保つ。母乳を与える。

思いやりをこめてあつかう。

神経ホルモンの分泌を促す。

 

子宮のように温かく静かで平和で快適な

場所で出産できれば母親も赤ちゃんも

リラックスできるし、何より“きずな”を

最初から順調に結ぶことができる。

 

 

 

 

読んでみて…

 

胎児がどのように発達するのか

感覚や意識がどう育っているのか

その他にも新生児の発達や

親子のきずな作り

保育所やテレビとの付き合い方など

赤ちゃん側から見た様々なことを

知ることができました。

 

お産やその後の子育てについても

考える一冊で面白かったです。