街中で中国人のひとを見かけるのも珍しいことではなくなってしまった。
昔、バイトをしていたときに、中国からきた陳君と知り合った。陳君は日本語が達者だったので
あれやこれやと話をした。
「株、儲かったか。」 中国人はやはり、お金の話が好きである。
中国はこれから、発展をしていくけれど、日本は停滞をしていくだろうね。と、したり顔で雑誌で読んだことを受け売りで、彼に話をしたことを思いだす。
「それでも、日本はシステムがしっかりとしているから、中国と比べるとはるかにチャンスが多いだろう。」
中国人と結婚したらどうかと言われたこともある。「中国好きだから。」
実際、他のひとと比べて、中国人への違和感はそれほど感じなかった。
彼は上海の出身だったが、幼いころ、上海の銭湯のようなところにいくと、階段をあがっていって
上へとひとがあがっていく。上の階は何があるのだろうと不思議だったそうだ。
大きくなってから、知ったが上の階は宿泊施設になっており、雑魚寝ができるようにしてあったのだ。ロッカーはなくて、衣服を長い棒を使い、とても届かないところに吊るして盗難されないようにしておいて休むようになっていたのだ。
上海に帰ると日本で稼いだお金を使って、一日タクシーを借り切るのだと言っていた。
日本で見たこと聞いたことを大げさに脚色して話をする。
なぜなら、自分も向こうで日本帰りのひとの話を聞いたから。そうすると日本に行ったことのない人はすごいなと言いながら憧れる。
「みんな、そうして日本にきているんですよ。」
中国人どうしで話をしていると、自分はニセ中国語をしゃべる。
それが、なんともおかしいらしく、彼は吹き出してしまう。
いまだ、中国にいったことはない。