門倉貴史はテレビでいじられキャラをやらされていたが、エコノミストであり、日本の地下経済の規模を算出したり、現在の経済問題を明解に説明できるひとである。
その彼の本を読んでいた。
いわくIT技術の発達により、IT技術をつかいこなせる人の賃金はあがり、そうでないひとの賃金は下がる。これが世界的な所得格差の拡大の原因である。
所得格差はアメリカ、中国、韓国、日本、ヨーロッパ、ブラジル、と全世界で進行をしており、経済がインターネット網で結ばれてしまった現在、それを逆戻りさせることはできはしない。
所得格差と拡大の是正はきわめて困難ということだ。
ポーの短編、「メエルシュトレイムの底へ」では、主人公と兄は大渦巻きにとらえられてしまう、兄はなすすべくもないが、彼は知恵を働かせる。
渦に巻き込まれる速度が物の形によって異なることを観察する。
渦に捉えられた状況は変えることはできない、しかしその状況を分析し、計画し実行にうつすことで災厄から逃れる。
世界の所得格差が拡がっていくのを変えることは不可能である。ならば、その渦にまきこまれないようにするにはどうすればいいか。
嘆いていても、状況は変えられない。祈っていても状況は変わらない。
インターネット技術を逆手にとり、自分を優位な方向にもっていくことを考えてみよう。
ネットビジネスは顧客に対してのダイレクト販売が可能だが、他者との競合をせねばならない。在庫の問題が起きると収益は悪化をしてしまう。
トレードはどうだろう。自分の今の手法をブラッシュアップして、もう少し洗練した
方法にまとめあげる。時間軸を短くした短期売買に徹してみる。
こんなことを考えたのは、たむろしているKIDSをみていて、感じるところがあったからだ。短いサイクルの特徴的な笑い声をあげて仲がいいけれど、仲間意識を
共有し自分の属する集団を確認しあうという習性行動に見えてしようがなかった。
自分の会社のひとでも、夜遅くまで部屋で語りあかしたりしているけれど、
そうした集団行動はポーの「メエルシュトレエムの底へ」の主人公の兄のように
状況に甘んじているひとに思えたからである。
しかし経済変動の進行は止められないのだ。