「梅ちゃん先生」第152話(第26週・最終週)/〜ヒロシ(池松壮亮)、魂の叫び! | どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

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ヒロシ(池松壮亮)、魂の叫び!
堀北真希(梅子)の診療所で過労で倒れた池松壮亮(ヒロシ)。熱でうなされる中で「梅子が”生きていればいいことがある”と言ったのは嘘だ」と心の底からの叫びを口にする。
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やっと言えた魂の叫び声

◎あらすじ(ネタバレあり)
閑古鳥が鳴く梅子(堀北真希)の診療所にある客が訪れた。
親友・弥生(徳永えり)の事を好きな元同期の山倉(満島真之介)が「自分を弥生の結婚相手に推して欲しい」というお願いでやって来たのだ。
山倉の願いで、梅子は弥生と夕ごはんを食べることになった。
そこで梅子は、弥生からヒロシが大学病院で医師に無理な仕事をさせられていると知る。
弥生の話から出会った頃のヒロシ(池松壮亮)の姿を連想する梅子。

後日、ヒロシに会いに大学病院に行くが、そこでヒロシに追い返されてしまう。

そのまた後日、ヒロシにが仕事で梅子の診療所にやって来た。
帰り際にヒロシは過労で倒れてしまう。
熱でうなされたヒロシは「昔、梅子が言った”生きてればいいことがある”というのは嘘だ!」と叫ぶ。


◎みどころ

ヒロシ(池松壮亮)、魂の叫び!

◯おもしろポイント
ヒロシ(池松壮亮)、魂の叫び!
仕事のためなら何でもするヒロシ。食事会でも飲み会でも笑わないヒロシ。

そんなヒロシの姿に気づいたのは堀北真希(梅子)だった。
「今のヒロシくんを見ていると、初めて出会った頃のことを思い出す」と。
生きるために、他人の畑から作物を盗み出して、その場凌ぎのような生活をする。
戦災孤児で誰も頼れる人がおらず、人を信じず他人を利用する。堀北真希には、今の池松壮亮の姿が当時と変わっていないように映る。

「生きるため」=「食っていくため」ならどんな泥臭い仕事もし、相手の人間性を淡々と観察し、その洞察力で人を揺さぶる。そして、自分を守るために「目が笑わず」他人に心を許さない。

誰も信じず、ひとりぼっちで生きるその姿は、確かに子供の頃の姿のまま。

そんな彼が今日心の底の叫びを口にした。

過労で倒れたベッドの上で「生きていれば、いいことがあるというのは嘘だ!」と。
かつて、池松壮亮は堀北真希や高橋克実(建造)との出会いで命を救われ、その時は少し救われたのだろう。
でも、その後の養子生活や働きながらの夜学受験、現在の仕事、頼れる相手がいない、という現実は彼を蝕む。
過労で倒れて口に出した心の底の叫び声は、梅子への「苦しい、寂しい、助けて!」という魂の叫びの裏返し。
辛くて苦しくて、毎日を過ごすのに精一杯で笑う余裕なんかどこにもない人間の、最後の力を振り絞った叫び声。
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「生きていてもいい事はない」という幼い頃のヒロシ

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そして、今も同じ事を言うヒロシ

とてもとても辛くて苦しい声だけど、ヒロシはやっと本心を口にした。



◯ツッコミポイント
無神経な満島真之介(山倉)!
堀北真希(梅子)のところに恋愛相談にやってきた満島真之介。
話の流れで、「満島真之介が大人になった」という話になった。
すると、満島真之介はもう、得意満面の笑みで
「松子さん(ミムラ)に結婚を断られて、いきなり梅子さんにプロポーズするような無神経で常識はずれな山倉真一は過去の存在なんだよ!」と、言い出した。
堀北真希は眉間にシワを寄せながらも、満島真之介の協力をするハメになる。
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いや、そんな昔の傷をえぐるのは無神経だよ!笑



◯雑感と「梅ちゃん先生」から見る世相
最終週の火曜日で「ヒロシ」が本音をぶつけてきた!
「生きてても何もいいことはなかった」という苦しい寂しい本音を。

「ヒロシ」こと池松壮亮がぶつけた本音に堀北真希はどう応えるのか。
苦しくてひとりぼっちのままの池松壮亮の前に、堀北真希が「そこにいる」事には必ず意味がある。
池松壮亮自身にはには、自分は1人ぼっちに見えるかもしれないけど、確かに堀北真希たちはそこにいるのだから。

「苦しい」「寂しい」、そのことを正直に言える人はどれだけいるのだろうか。
例えば「仕事がキツイ」と友人に漏らせても、職場ではプライドや責任感や諦めで言えない人はきっと多い。また、一度訴えても、訴えが届かず諦める場合もある。
「辛いなら辞めろ」という世代や人も存在するけど、管理者にとっても潰してしまう方が損失が大きい。
雰囲気や表情で苦しさや寂しさを察して貰える場合もあるけど、それでは他人は動かない。
自分で「苦しい」「寂しい」と訴えないと助けてなんかもらえない(「かまってちゃん」は困るけど)。
でも、「苦しい」「寂しい」という雰囲気を出している本人は「自分がこんなに苦しいのに」と思って自らの殻に閉じこもって、孤立してしまう。そうなってからでは遅い。

本当にそれでいいのか?
孤立してしまったら、ますます何かを言いづらくなってしまうのに。

「苦しい」「寂しい」と言えず、崖っぷちまで来て、ようやく本音を吐き出せたヒロシだけど、そうなる前に言って欲しい。潰れてからでは遅い。周囲にとっても、何より自分にとっても。(そして「訴えやすい雰囲気」を作るのも管理職の仕事だ)

あと、人は意外と「面と向かって訴えられる」のに弱い。だから「面と向かって自分の気持を冷静に表現する」強かさがどうしても必要。