「平清盛」18話/〜松田翔太の悲しみが朝廷に混乱をもたらした! | どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

連続ドラマの感想やあらすじ(放送回までのネタバレ含む)などについてを主に書いてます。
目標とコンセプトは「面白いドラマをより多くの人に見てもらいたい」です。
朝ドラ「ごちそうさん」「あまちゃん」のあらすじ・感想が日課です。
旅行記も稀に書いています。

日曜20時~
NHK総合


番組公式HPはコチラ

◎あらすじ(ネタバレあり)
朝廷では鳥羽上皇(三上博史)と得子(松雪泰子)の子の近衛帝が病身で伏せっていることで、世継ぎ争いで混乱が生じていた。
そんな中、清盛(松山ケンイチ)は鳥羽上皇に「今こそ崇徳院(井浦新)との和解の時だ」と諭す。

その混乱は平氏、藤原摂関家、他の新興貴族まで及んでいた。
混乱のさなか、近衛帝は崩御する。

鳥羽上皇と近臣との間で時期帝を決定する閣議が行われる。
その中で「崇徳院を再び天皇に据えても良い」と崇徳院への歩み寄りを見せる鳥羽上皇。
しかし、世の太平のため鳥羽上皇の願いは届かないのであった。

そんな中、雅仁親王(松田翔太)は遊行で美濃(現在の岐阜)にいた。
雅仁親王は美濃で白拍子の乙前(松田聖子)に出会う。
乙前の歌に対し、自らの悲しみ、虚しさを吐露した雅仁親王。
自らの悲しみから来る、大きな「生きる欲」に気付く。

帰京した雅仁親王と出会った清盛。
雅仁親王は清盛にひとつの歌を歌う。
雅仁親王から聞いたその歌は清盛がかつて実母(吹石一恵)から耳にしたものであった。
驚愕する清盛に対し、ある決意をした雅仁親王。

雅仁親王が後白河帝として即位した。



◎みどころ

人の持つ「生きる欲」は消すことはできない

◯おもしろポイント
松田翔太の悲しみが大いなる欲をもたらす
父である三上博史との情が薄く、亡くなった母である檀れいは「愛を知らない」状態であった松田翔太。
親への愛を期待せず、今様(歌)や博打にふけって権力争いにも関心がなかった。
素行が悪く、そのことで更に父母から遠ざけられ、完全に悲しみと虚しさの中にいた松田翔太。

しかし、人の生きることへの欲求は想像以上に強い(鬱状態等だとまた話は別だが)。
今様や博打にふけり、親を失望させる行為の数々は、与えられない親からの関心を引くための「赤子の泣き叫ぶ声」と同様だった。

松田聖子の歌を耳にし、自分の弱さや淋しさを痛感するが、松田聖子から
「声を枯らして歌う姿は心の底からの力であり、その力は世を動かすことが出来る」と言われ、「親から愛を与えられなくても、それでも生きることを止められなかった生への渇望」を自覚する。

その姿は、棟梁となる前の清盛と同じく、飢えるものが故の魂の叫びなのである。



◯ツッコミポイント
特になし。

◯つまらなポイント
正直、今回は見所が難しかった。
近衛帝崩御から後白河帝誕生までの、朝廷の愛憎劇と陰謀と史実が混ざり合って、45分の放送では中身が濃すぎたから。
本当はこの回は2話に分けて放送して欲しかった。


①登場人物が多すぎる
史実だから仕方のない事なのだけど、登場人物が多すぎると、それぞれの思惑や陰謀が複雑になりすぎる。
また、一人あたりにかける時間も減る。
「なんかよくわからないけど、自分の家のために陰謀を持った人」みたいなのが出てくる。
それぞれの背景や立場がのちのちの展開で重要になってくるのに、ここで時間をかけれないと後で弱くなる。


②第二部になってからマツケンの魅力半減
棟梁になっておとなしくなったのか、マツケンの魅力が半減した。
松田翔太と同じく「愛に飢える者が持つ魂の叫び」みたいなものが第一部では存分に発揮されていたのに、棟梁になってからその飢える姿や、飢えた者がたまに見せる脆さが見えない。
「面白い世の中にしたい」「武士の世を作る」ことが亡き父・忠盛(中井貴一)との絆であったはずなのに、その絆は今や処世術に取って代わられ、影を潜めた。
「今年の大河は何がしたいのかわからなくなってしまった」状態。


③松田翔太がどうやって天皇になったのか?
天皇になる決意のシーンはマツケンとのシーンで描かれているが、
その後映しだされたのはナレーションとともに白洲に倒れこんだ井浦新の姿だった。
松田翔太が天皇になるまでの閣議や取引のシーンが一切かかれてなくて見ている側は
「???」だった。
そこを書いて欲しかったのに!


と、テコ入れらしい第二部だけど、パワーが全般的に弱まっている。
テコ入れが悪い方に作用したとしか思えない。
役の味を殺す演出や脚本ならやめて欲しい。

◯清盛奇行(きよもりきこう)
何かと奇行の目立つ平清盛(とその周囲のキャラたち)。そこで、ドラマ本編終了後の「清盛紀行(きよもりきこう)」をパロって清盛たちの奇行を紹介することにした。

書くのが引けたが、松田翔太が天皇となった事を知った崇徳帝の怒り様。
殿上から出てきて白洲の上に倒れてしまった。目を真っ赤に充血させて。
その隣では重臣が「崇徳帝~~」と同じく白洲に突っ伏して慟哭。
・・・怖すぎてどうしようもなかった。