ホラーアンソロシリーズ。
今回は短編というより中編って作品も入っており、全6作品。
前回のミステリ傾向より、ホラー色が強まっております。
…けど、若干インパクト薄かったです。
10作以下なので1つだけ選出。オチばれネタばれあり。
『影と闇』 トマス・リゴッティ
ちょっとどういう情景なのか想像つかんな~~~という翻訳物の苦手点が、
逆にいい感じの作用した珍しいタイプ。
冒頭から、登場人物たちがどんな集団なのか、私にはまったくわからない。
ホームをレスした人?隠居した老人?えっ、なんかアーティスト気取りの集団ってこと?
という、ぼやぼやした輪郭が、
「自我や意思など存在しない!ただ闇に動かされるだけ!」
という作品の主張とぴったりフィットし、影絵を見ているような独特の読後感です。
腹痛からこの世の真理を悟る…というのも、腹痛の時の絶望感を思うと納得できるわ。
ちょっとクトゥルーぽい雰囲気も味わえます。
いやでもほんと、登場人物達の姿形が全く思い浮かばんわ~…
あとコレは不満なんですが…
表題作『狂犬の夏』の訳、ちょっと厳しい。
原文が難解で、日本語にそぐわないとかなんか?
子供の口調がえらいしっかりしてるな~、と違和感があったんですが、
地の文も、理知的な大人風・ヘルパーさんに語り掛ける老人風・当時に戻って子供風…
口調が変わるたびに、違和感を感じて読みづらい。
筋もオチも悪くないだけに、惜しい。





