十年目の記念ということで満を持しての吸血テーマ。
今回の扉絵、山本タカトって人すごい綺麗で素敵な絵を描くなあ。端正で緻密。ちょっと丸尾末広の雰囲気ありますね。
倉阪鬼一郎『它川から』
吸血鬼になったからと言って何がどうなるわけでもないんだけど…という侘しい感じ。温泉宿のひっそりした雰囲気もいい。得体のしれないお社と、ごく普通の観光客の書き方も乙。吸血になったけど、いつかうんざりするんだろうなあ…という徒労感が伝わってきました。なんとなく、まあなってみるかってノリの吸血鬼も珍しいよな。
加門七海『蝶の断片』
吸血がテーマだけど吸血鬼テーマではない。けど良かった!蝶って、触った時のあのモロっとする感触がなんか怖いですもんね。モロモロと形の崩れていく様が見えるようでした。けど男も逃げてなくて殺したのかと思ったんだけど違うのか…。最近の高湿度の気候に似合う一篇でした。
オク田哲也『非業』
オクの字が出てこん…。
オーソドックスにホラー!いいですね!夢で近づいてくるって怖いもんね。
吸血鬼が吸血鬼退治に手を貸してくれるという展開で、なんで?近親者を襲う吸血鬼と湿原の吸血鬼とどう違うの?と謎は残ったままなんですが、短編だから仕方ないか~。親子二代にわたって助けてくれるっていい人だね…いやでもなんか義理があって?と湿原の吸血鬼が気にかかるので、長編でやってくれないかなー。
面白かったんですが、もっとこう、怪奇幻想でなくて怖がらせよう!!ってのも欲しかったなー。