「これはまだ憶測ですが…兄が重要なんです」
「兄?あぁ、あの無愛想な子やな」
笑顔で挨拶しても、話しかけても、無表情か無愛想、どちらかでしか反応しない。
「イタリア…ヴェネチアーノはもうハンターとしての自覚があるようで」
あのかわいい弟やな?
確認をとり、話を進めるよう促す
「前に、彼に聴いたんです。何故、アナタ達は二人一緒なのですか、と」
そしたら…と、言葉を詰まらせるオーストリア。首を傾げながら見守れば意を決したような目つきで俺を見て
「彼は…自分が…兄、ロマーノが暴走しないための枷、と言ってました。」
「暴走?」
「そこまでは知りませんが…私達がバンパイヤだと言う事もわかってます。」
「で?なんで俺なん?」
大方理解した、そう頷きながら言う
「ヴェネチアーノが、アナタの所にロマーノを預けて欲しいと言ったんです。」
「なんでや、"枷"やのに?」
「ヴェネチアーノ…起きてますか?…はい、」
『スペイン兄ちゃん、聞こえますか?』
頭の中に直接響く声。
この声はヴェネチアーノの方か…テレパスまで使えるとは器用なのか、才能なのか
『どうか、兄ちゃんを預かってください…10年後の今日、3月17日まで』
切なげに懇願するヴェネチアーノ。
『兄は、アナタと居た方がいいのです…ハンターとして、覚醒はしていません、10年後までは。ですから、お願いします!』
「私からも、お願いします」
オーストリアまで頭を下げる始末。
「わかったわ…じゃ、行ってくるな」
パチンと指を鳴らせば時計が秒針を刻む。

10年

















まだまだ、先は長い