非正規労働者

国(厚生労働省)が示す「非正規労働者の正規化」や社員と変わらない「同一労働同一賃金」の実現に向けての方向性は、安倍内閣の「一億総活躍社会」の実現に向けてのアクションとして知られているところですが、個々の企業においては、非正規労働者について何か勘違いしているのではないかという事例があります。

給与体系の見直し

パートタイマーやアルバイトなどの非正規労働者を抱える多くの企業では、労働者の確保に頭を悩ませています。それは、新規労働者を募集しているにもかかわらずなかなか応募してこないということと、せっかく採用した非正規労働者が長期に定着しないことです。
この点の対策としてある企業では、非正規労働者の給与体系を根本的に見直しています。しかし、その結果として企業の思惑通りに新規応募者が増え、採用中の非正規労働者が長期に定着するモチベーションを与える変更になっているかは、疑問が残るものもあるようです。

企業の思惑と非正規労働者の思惑が違う

中には、ち密な給与体系を構築し、社員の給与体系同様に非正規労働者内での昇給、昇格があり、ボーナス査定や、正社員登用もあることに触れたものもあります。非正規社員の長期にわたる貢献が給与に反映される、ち密な体系を構築したことには敬意を表しますが、多くの非正規労働者には、このような給与体系の変更が、その企業への定着のモチベーションにはならないのではないかと思います。具体的には、給与(時給)を上げるための貢献期間と時給の上昇額が非正規労働者の心を動かすものになってないので、この程度なら、いつでも他の時給の良い企業に替わればよいと考えてしまいます。

定着の肝は、職場環境

就職後、仕事内容の思惑の違いや、実際の仕事に対する給与の低さが原因の場合、非正規労働者はすぐにやめてしまうでしょう。では、ある程度その企業に定着している非正規労働者を引き留める手段は、給与体系の変更でしょうか?もちろん、画期的に給与が上がる変更であれば話は違ってきますが、そんな話はないわけですから、企業が検討すべきことは、職場環境をいかに働きやすいものにするか、現状を分析し変更してゆくことではないでしょうか。職場環境とは、設備、ツール等物理的環境だけではなく、非正規社員を取りまく人間関係です。その際、企業が取りがちな対策は、正社員の上司が非正規労働者にどう接するかを教育するなどになりがちです(もちろんこれも非常に重要ではあります)。しかし、根の深いところにある問題点は、毎日ともに働く非正規社員同士のハラスメントにあることに気付いているでしょうか。意識するとしないとにかかわらず、人間は3人寄れば、そのうちの1人をいじめ始めます。非正規労働者のリーダー的立場の人に度量がない場合、顕著に1人の非正規労働者を他の非正規労働者がいじめ始めます。その非正規労働者がいなくなれば次を探し始めます。非正規労働者を抱える企業は、正社員だけでなく非正規労働者同士の人間関係にも目を見張り、非正規労働者の中に入ってゆく並々ならぬ取り組みをしなければなりません。
特定受給資格者の範囲拡大

1.賃金不払いを理由とする離職について、賃金の1/3を上回る額が支払期日までに支払われなかった月が1月でもあった場合、それを理由に退職した者は、特定受給資格者となります。
2.事業主が休業等の申し出の拒否など、育児・介護休業法等に規定する義務に違反した場合、
それを理由に退職した者は、特定受給資格者となります。

有期雇用労働者の育児・介護休業給付の条件緩和

申出時点で過去1年以上雇用されていた条件は変わりませんが、
1.子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあることの条件は無くなり
2.子が(2歳になるまでではなく)1歳6か月になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除くの条件が緩和されました。

介護休業給付の対象家族の拡大

介護の対象が、「祖父母」、「兄弟姉妹」、「孫」の場合も「同居・扶養」しているという条件を無くしました。

これらの施行日は、平成29年1月1日です。

企業の対応

特定受給資格者になれば、雇用保険の基本給付(失業給付)の給付制限(通常3ヵ月間)が無く受給できるという退職者本人へのメリットですので、企業に金銭面の直接的な影響はないとも言えますが、今回の省令改正で、企業の対応に不満を持つ労働者が退職しやすくなることは確かで、その退職者から広がる企業イメージの悪化につながりかねません。
特に、育児・介護休業の申し出を特別の理由もなく拒否することで貴重な戦力を欠くことのないよう留意したいものです。
台風9号が去った夕方。西に傾いた陽光が、雲間から顔を出し一瞬の夕焼けを演出しました。
シルエットは丹沢です。
Amazing sunset
8月の半ば、リオデジャネイロ五輪では、日本選手の活躍が続くこの時期ですが、今年の年末調整では、マイナンバー(個人番号)制の導入以来の大規模な事務適用が行われます。

提出書類

提出書類の種別はこれまでと同じ、
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・配偶者特別控除申告書
・保険料控除申告書
・住宅借入金等特別控除申告書

ですが、これらのうち住宅借入金等特別控除申告書以外の申告書には、マイナンバーの記載が必要になり、給与所得者の扶養控除(異動)申告書では、扶養家族のマイナンバーも記入します。

利用目的、本人確認

マイナンバーを含む特定個人情報の扱いに関する注意事項は、ここでは繰り返しませんが、マイナンバーはその利用目的を明確にし、その範囲内でのみ利用が可能なので、毎回その利用目的を明らかにしてその範囲内で利用することになります。
本人確認は、従業員に関しては入社時等にマイナンバーカードなどで本人と本人のマイナンバーである事を確認してあれば、都度同様の確認は必要ないとされています。なお、従業員の扶養家族の本人確認は、従業員が行うことになっています。

的確な運用

特定個人情報の扱いには神経を使いますが、的確な運用ルールを遵守し、くれぐれも悪用される余地のないよう管理を徹底しなければなりません。
一億総活躍社会の実現に向けて、女性や障害者及び高齢者が幅広く生産に寄与できる社会環境整備がされているわけですが、その中にあっても障害者、高齢者等は、とりわけ就職が困難な者とされています。今回のコラムでは、高齢者(60歳以上)に焦点を当てて、高齢者に安定した活躍の場を供給した経営者(会社)に支給される助成金について触れたいと思います。

ハローワーク等による求人

特定求職者雇用開発助成金は、高齢者のみが対象ではありませんが、このコラムでは、高齢者を意識した書き方になります。
助成金では常にそうですが、こと細かな支給要件がある中で、異彩を放つのがこの「ハローワーク(あるいは民間の有料・無料職業紹介事業者)による紹介企業に雇用されること」があります。これは、採用した会社が助成金の対象者であることを忘れてしまっても、対象者が就職後、助成金の支給時期を見計らって、助成金支給申請関連情報をハローワーク等が、雇用企業に知らせてくれるというお役所仕事らしからぬ配慮によります。

その他の主な要件

採用した高齢者(対象労働者)は、一般被保険者として雇用保険に加入すること(必然的に、週20時間以上勤務する65歳未満の人ということになります)。
対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること。

ひとりに対して60万円

特定求職者雇用開発助成金では、採用後半年が過ぎたところで、30万円、さらに半年(採用後1年)が過ぎたところで、再度30万円の支給申請ができます。ただし、(週20時間以上)週30時間未満の短時間労働者の場合は、40万円(20万円+20万円)です。
助成金を申請するために、職場環境を改善したり、特別なルール作りをする必要がないので、高齢者を採用すると決めた企業には無理なく支給申請ができるハードルの低い助成金ではないでしょうか。