― メリーランド州に約420,000SFの製薬キャンパス、280百万ドルで買収

韓国の製薬大手 Samsung Biologics が、米国で初となる製造拠点を確保する大型投資を発表しました。

同社は、メリーランド州ロックビルにある旧ヒューマン・ゲノム・サイエンシズ(HGS)の製造キャンパスを2億8,000万ドル(約420億円規模)で取得することで、
GSK と合意しました。

取引は来四半期に完了予定で、施設では500人以上の雇用を維持する計画です。

🏭 物件概要:米国有数のライフサイエンス集積地

取得対象は、メリーランド州ロックビル(ワシントンD.C.郊外)に位置する2棟構成の製造キャンパス

・所在地:9911 Belward Campus Drive, Rockville, MD
・延床面積:約 420,000平方フィート(約39,000㎡)
・用途:バイオ医薬品の製造施設

このエリアは、National Institutes of Health(NIH)Food and Drug Administration(FDA)といった連邦機関が集積する、全米屈指のライフサイエンス拠点として知られています。

🇺🇸 米国生産拠点の狙い:関税リスクと供給網の安定化

韓国メディアによると、今回の米国進出の背景には、トランプ政権による関税政策の影響を緩和する狙いもあるとされています。

公式リリースでは関税には触れていないものの、CEOのJohn Rim氏は次のようにコメントしています。

 「今回の投資は、米国における製造能力を強化し、グローバル医療の発展に貢献するという当社の強いコミットメントを示すものです」

👉 医薬品分野でも“米国内製造回帰(オンショアリング)”が進んでいることが分かります。

🔄 GSK撤退の穴を埋める「明るい材料」

この売却は、GSKが進める米国事業再編の一環でもあります。

・GSKは今後5年間で米国に300億ドル投資を表明
・ただし、メリーランド州での投資は縮小
・ロックビルのR&D施設(約635,000SF)からは2026年までに撤退予定
・現在はマサチューセッツ州ケンブリッジに注力

そのため、サムスン・バイオロジクスの参入は、郊外メリーランド市場にとって大きな下支えとなります。

📈 ライフサイエンス不動産市場の今

近年、
・VC投資の減速
・研究開発(R&D)施設の空室増
といった逆風を受けてきたライフサイエンス不動産ですが、

一方で、
バイオ製造(Biomanufacturing)分野は急成長
✅ 大手製薬会社による数十億ドル規模の投資が相次ぐ

・AstraZeneca
・Eli Lilly
・Merck

といった製薬大手も、
メリーランド州・バージニア州で大型投資を発表しています。

業界関係者は、「今、資金と投資が集まっているのは“製造”分野だ」と語っています。

📌 注目点

✔ ライフサイエンス不動産は R&D(研究)と製造で明暗が分かれている
✔ 製造系(GMP対応施設)は 長期テナント・高い参入障壁・安定キャッシュフロー
✔ 米国の政策・関税・安全保障が 不動産立地戦略に直結する時代

🧬 製薬×製造×不動産は、今後も米国投資テーマとして注目度が高まる分野です。