
丁寧に出汁を取って年越しそばと雑煮を作った。例年より父の腕は上がっているはず。
4年ぶりにスキーに行って二人でパラレルを楽しんだ。父は子の前で初めて転んだ。
あとは朝夕送り迎えの部活の毎日。
ただそれだけ。
ただそれだけ。
雪の公園で遊んだ日々は遠い昔。
確実に手元から離れていく。
おしめを替えていた記憶も、もう薄い。

電子書籍「Beautiful days」
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「強い高校に行きたい」と、選んだ高校は吹奏楽部も野球部も強かった。
朝2時に起きて息子を送りだし、甲子園へ。その前日には吹奏楽部員として念願の全道大会出場も果たしていた。7年待って叶った夢だった。
今日まで何度か「辞める」と言いながら、それでも毎日吹いていたトランペット。
「好きな事ならどんなにつらくても耐えられる」それだけを教えてきた。
「疲れた」と言えば「死んだら毎日休める。でも好きなんでしょ音楽が。生きているうちにしか出来ないよ」と答えてきた。部活から帰ってきても部屋でクラシック音楽を聴きながら指揮棒を振っていた日々。
今日、陽が落ちる頃に息子は帰ってくる。
そしてまた、いつもの通りの毎日が始まる。いや、少し成長した新しい日々が始まるのか。
少し我慢すれば、ほとんどの日常は前輪駆動の車で対処できる。
たまに必要なのは便利だからであって必須ではない。
しかしまれに訪れる必須の時はこんな日だ。

この先に道はない温泉宿にて。
真っ赤な車が真っ白になりながら山を下る。
こんな日は2台目に所有した三菱パジェロが懐かしい。

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