〝大家さんと僕〟を読んでたら、身近なご老人達の安否が急に心配になり、たちまち漫画の内容が頭に入って来なくなった。
もしや、ご無沙汰のうちにアチラの世界の住人になってたら、どうしよう...?!
.....追記.....
レア物好きのあやたが宝物にしたいと言うので、千円札二枚と交換してあげました。
慌てて漫画を閉じ、乙さんと中澤女史に電話した。
結果は二人とも不出。
心配だけど、音沙汰が無いのは元気な証拠だと、自分に思い込ませることにした。
女史においては、わこの低学年バレエ引退後、慰問活動が無くなり、引っ越し以来遠くなった銭湯には行かなくなり、すっかりお会いする接点が無くなっていた。
それが去年、パートの散歩中に道すがらバッタリ会った時に、脳卒中で倒れてリハビリ中だと聞いていて、余計に気がかりだったのだ。
その数日後、中澤女史からの着信。
着信履歴の機能があるとは思えない中澤家の電話。
勘で掛けてきてくれたのだろうか。
女史
「あなた!!良かった〜やっと話せて嬉しい。もうずっと具合が悪くて。またガラクタ集めてあるけど取りに来れる?」
ガラクタはいらないけど、もうこれは会いたい口実だとわかってる。
私
「うちも実は断捨離中なんですけど、、 あれから中澤さんが元気かずっと気になってたんです。良かった。」
女史
「きりちゃんいるの?他の子達は学校?きりちゃんだけ乗せて、自転車にガラクタ乗せるスペース空けて今から来れない?」
私
「今保育園行ってるんですけど、実はまた赤ちゃんが生まれたんです。」
女史
「え?!今から30分以内に来れるって?良かった〜。本当に嬉しい。」
私
「いや、そんなにすぐは出られなくて、赤ちゃんが...」
女史
「ガラクタまとめて待ってるから、必ず乗せれるスペースだけ空けておいて。待ってるから!!」
これはもう何も通じない。
電話は無理だ。行くしかない。
行って見せるしかない。
とりあえず、生きていて良かった。
まだ首座らぬおテリを抱っこして防災頭巾を被せ、自転車で女史の住む信◎コーポに会いに行った。
女史
「え?嘘でしょ?本当に?産まれたの?こんな赤ちゃんに会えるなんて!嬉しい〜。嬉しい〜。生きてて良かった。
もうリハビリも辛くて何度も死にたかったの。これでまた今日から生きて行ける。嬉しい〜。嬉しい〜。」
そう言って泣くので、私も泣いてしまった。
女史
「そういえばあなた、五人は産みたいって言ってたわよね!」
私
「それは言ってないです。」
とりあえずがむしゃらに会いに行って 本当に良かった。
産まれた日と名前と読み仮名を書いていけと言われ、裏紙に書き残した。
テリちゃんを抱っこして、本当に嬉しそうな女史。前にお会いした時よりも、一回り小さくなった気がした。
女史
「そういえばあなた、五人は産みたいって言ってたから!産まれて良かったわねぇ〜。」
私
「いや、だからそれは言ってないです!!」
ガラクタは遠慮したけどやはり無理で、ロープ二本も駆使して強制的に自転車に括り付けられた。
乙さんも中澤女史も二人とも、喋りはしっかりしてるけど、年々聞くのがダメで、一方通行。
乙さんは本当に耳が遠くて聞こえない様子だけど、中澤女史は聞く力がからきし無い。
質問してくるのに、答えると何も聞いてない。質問したそばからもう他のこと考えてる。
共通点のあるご老人である二人共には、質問には大きな声で、目を見て短めに答えることを心掛けてる。
ちなみに、その乙さんとも後日、連絡が取れて、一方通行なりに元気なことが確認出来たのだった。
「夜中に授乳する時にも使えるし、ホラ、ちょっと写真撮る時にも羽織ると華やかよ。」
との事で持たせてくれたのを開けたら、これだった...!!!
悪いから一度は袖を通せと、何故かあやたに言われる。
でも切れ味素晴らしく、意外にも色んな物を切るのに一番使えてる、重くてデッカい裁ちバサミ。
子供はこれから学習することだから、間違っちゃいない。
割と派手。初夏の装いデースー。
Kayui。かゆい?
何はともあれ お元気で何より、私もひと安心して年を越せた。
こんなに喜んでくれて、生きる活力にしてくれるなんて、嬉しくてこちらも励みになるし、泣けてくる。
また安否確認をして、子供達の誰かを連れ立って会いに行こう。
春になったら、お久しぶりの新寿湯にも足を運ぼうと思う。
年末に会うと必ず、わこちゃんの誕生日ケーキを買ってあげなさいと、六花亭の可愛い手作り封筒をくれる女史。
用意して待っててくれたんだな...と、いつも一言目だけ断って二言目にはありがたく頂戴し、帰宅後、また、もしや、まさかね...
開けたらやっぱりこのレアなお札だった!!!
このお札、もはや中澤女史からしか流通してなそう。
レア物好きのあやたが宝物にしたいと言うので、千円札二枚と交換してあげました。

















