サイと出掛けるのに、お菓子と飲み物買うからお金ちょうだいと言われ
多めに400円渡したら、悩んだ末わざわざ戻ってきてこれはちょっと多いと100円返してくるような男。
どんぶり勘定な私とは、顔は似てるけど堅実さがまるで違う。
先日、夫が古いバリカンであやたの散髪に失敗。慌てふためいて修正修正の果てに、1ミリの坊主に...。
裸で脱衣所に立つ涙目の少年を見て、怒り心頭。
酒を飲んで散髪したことも許せず、思いのままに暴言を吐いてしまった。
やっちまった実感はあったようで、何も返して来なかったけど、こんなに頭の形のいいやつもいないぞと、翌朝まで粘り強く自分を正当化するやっちまった父を、皆で一丸となって無視した。
いつも、醜い罵り合いや喧嘩をしてるはずの妹弟たちも、兄の只事ではない姿を一目見て空気を読んで黙り、心から彼を心配した。
わかっていても、すれ違う度
薄い水色の帽子を被ってるように見えて二度見してしまう...。
肌着が頭皮につっかかり、着るのにひと苦労してるのも不憫だった。
欠席の連絡ノートは私が持ってく!いや俺が持ってく!と、誰しもが味方になった。
兄弟って不思議なもんだと思った。
私は、どうしても学校休みたいなら、特別に一日だけなら休んでもいいよと言った後、仕事に行く支度をしつつ少し離れて見守った。
悩んだ挙句、遅刻ギリギリで一人決心し、登校していった彼の後ろ姿は勇敢だった。
彼の頭は、ハッキリ言って、闘病中か戦時中か、はたまた一休さんだった。
下校後、恥ずかしさの殻を破った彼の面持ちは、一皮むけて逞しくなっていた。
後日、あやたのその頭を真似して1ミリに刈ったらしい旧H小学校時代からの友達がいたことを知って、なんだか私も嬉しかった。
ある日わこが、その組長に、何もしてないのにすれ違いざまに「死ね」と言われたと聞いたので、
あやたに、「組長になんでそんなこと言うのか、文句言ってやりなさい!」と言うと、
「その日の気分じゃない?深い意味ないよ。ごめん、悪いけど俺、〇〇組の幹部だから。」とのこと...。
わこより〇〇組を取ったようだ。
日々話を聞いたり、仕事帰りにこっそり下校の様子を見たりしてるうちに、彼は、組長の器のある魅力的な男なんだろうなと感じた。
年がら年中半袖短パン。
小柄だが運動神経が良く、男気に溢れてて、眼鏡をかけている。家庭は色々あるみたい。
まぁ、うちも立派に変な家族だし、言わないだけで皆んな色々あるに違いないと私は思ってる。
組長からの年賀状は、全て手書きの筆ペン仕立てで、豪快に富士山が描かれていた。
あやたに、あの時のあのこと、ごめんな。と書いてあった。
年賀状を出していなかったあやたは慌てて筆ペンを探し、気にしなくていいよとアンサーし、投函していた。
互いに律儀。
組長が嫌ってるクラスメイトのお母さんがいるらしい。
何故嫌いなのか聞いたら、その息子と喧嘩した時に、自分の息子の肩しか持たず、うざかったからとのこと。
いつすれ違っても、こちらが会釈しても挨拶しないそのお母さん、私も違和感があったのでちょっと納得した。
展覧会で見た組長の作品、すごく良かった。
一番ぶつかる長男。
私に対しては信じられないような悪態をつくし、かなり悪いところもあるけど、私にはない一面は嬉しくて頼もしく、密かに信頼大。
近頃は、父と一緒に借りてきた、映画スタンドバイミーを気に入って、何度も繰り返し観てる今年12歳になる少年。
絵は、もっとたくさん描いてちゃんと学べば、もっとずっと上手くなるだろう。
その感性を大事に、好きなこと、夢中になれるようなやりたい事を見つけて、楽しんでほしい。









