SST村林副代表カンルンガン滞在レポート③ | AWPS学生スタッフチーム(SST)活動ブログ

SST村林副代表カンルンガン滞在レポート③

しかしながら、それでも全ての貧困層が教育を受けられる訳ではありません。その理由はいくつかありますが、その中の一つに、授業料が無償でも、学校に通うには制服代や交通費がかかる、という問題があります。日本でも同じですが、制服や交通費は政府からは補助されないのです。そして最貧困層はそれを払うことすらできません。しかしこれらが払えない人々はフィリピンの中でも「少数派」で、政府いわゆる第一セクターは少数の人のためには動かないことが多く、実際最貧困層が抱えるこれらの問題にはノータッチです。もちろん、第二セクター、営利企業である交通機関などが最貧困層のために利益にならない無償運行をすることもありません。そこで、第三セクター、カンルンガンはそのような人々のために活動します。学校の近くにあるカンルンガンの施設の近くに子どもたちを宿泊させ、食事を提供します。子どもの親にとってみれば交通費も食費もほとんどかかりません。すると、最貧困層の子どもも学校へ行くことができます。このような小さく、個人個人の状況に即した支援を行うのがNGONPOなのです。



前置きが長くなりましたが、NGONPOにはこのような存在意義があるからこそ、より重要なのは具体的なデータであり、私はそれを知りたいのです。貧困層が何人で、そういう人たちが大体どういう生活を送っているのか、というネットで検索できるような情報は、政府などが使うものです。そうではなくて、小さな支援を行うには、支援している人、個人個人の生の声を聴かなければなりません。そしてそのような具体的なデータを得られて初めて「フィリピンの貧困層の事が分かった」と言えるのであり、それが分かっていなければ良い支援などできないのです。


残念ながら私はまだ全く「分かって」いません。私のインターンシップも残り一ヶ月を切りました。きっちりと貧困層の事が分かるように、活動したいと思います。そして、おそらくそれこそが、日本人である私が、単身フィリピンに来た理由なのでしょう。



特定非営利活動法人AWPS

学生スタッフチーム副代表 村林怜