♪パチパチパチパチ♪

 

「お前、関西出身なんだってな。

 よろしく、でんがなまんがな」

 

「せやかて工藤、そんなん言う奴おらんで?」

 

「あほちゃいまんねん?」

 

「パーでんねん!」

 

「変な関西弁聞いて怒るのも、

 関西人の特徴でおまんがな」

 

「お、怒こっとらんわ!」

 

「お前の母ちゃん泣いとったで?」

 

「そんなんしらんがな」

 

「ワイはな、好きやねん」

 

「ワイ、もや」

 

「何でや」

 

「知らんわ!」

 

「なんでやねん!」

 

♪バシッ♪

 

「「どうも、ありがとうございました~」」

 

♪パチパチパッ♪

♪プチッ♪

 

これは、彼らの意思を継ぐ、男たちの物語である。

 

 ヨ ロ シ ク 

 デンガナ マンガナ

 

 朝早くおきたら

 となりのおっちゃんが

 おはよう言うてくれた

 

 でんがな まんがな

 

 お昼休みに

 たこ焼き買うたら

 おおきに言うてくれた

 

 でんがな まんがな

 

 夢は でっかく

 持つ でんがな

 

 現実は 厳しく

 泣いちゃう まんがな

 

 

 ヨ ロ シ ク

 デンガナ マンガナ

 

 明日もがんばる

 デンガナ

 

 明後日はいい日で

 Oh マンガナ

 

計らずとも出会ってしまった二人。

しかし、それによって、運命の歯車は大きく動き出すのであった。

 

「ただいま~」

 

「おう、機嫌よさそうだな。飯まだ?」

 

「ナン・デヤネン!」

 

♪バシン♪

 

「!!」

 

「あらやだ。今日はカレー丼ですよ」

 

「カレー丼って。

 そんな事より、どこでそんな技覚えたんだ?」

 

「落し物を拾ったお礼にって、教えてくださったの」

 

「メシー・マダカイノー?」

 

「ナン・デヤッ」

 

♪スッ♪

 

「まだまだ、だな。

 そんなワンパターンな『ツッコミ』じゃ、

 すぐに『アキラ』れちまうぜ」

 

「『アキラ』?」

 

「『ツッコミ』を、

 何事もなかったかのようにかわす技だ」

 

「色々奥が深いんですね。さすがお兄様!」

 

「へっ、まあ、

 そのへんの輩には使えない技だから安心しろ」

 

「カレー丼、できましたよ~」

 

「なんで丼なんだ?」

 

「暖める時に、飛び散らなくて便利なのよ」

 

「ナン・デヤッ」

 

♪スッ♪

 

「ふふふ。暖める時に便利なのよ」

 

この時、チャイは思った。

今見たばかりの技を、いとも簡単に繰り出して来るとは、と。

そして何故、手間を惜しんで丼で出してくるのか、と。

 

 丼は かわいい

 蓋が かわいい

 あなたも かわいい

 おやすみ かわいい

 あなた

 

運命とは、それを背負う者自身には見えづらいもの。

しかし、それこそ、宿命に気づく手立てなのである。

次回、マダヤルン・カイナー『オマ・ダレ?』。

「モウカリ・マッカー!」

 

・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・ ペタ *:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*: