Take a
walk for nothing but there is something just for you
-early summer 2014- 第三章
電車の中は程よい混み具合だ。
すし詰めにされることもなく、寂 しさを感じるには程遠い。
つり革に捕まっていれば、目の前の女の子が視界の脇に入る。
大きいケースだ、チェロよ りは小さそうだが、何が入ってるのやら。
正面にはガラス越しに街並みが過ぎてゆく。
それは時間とともに騒がしく なり、やがてビルや電光掲示板、広告。
お急ぎではなかったが、急いでしまった。
座る余裕もなく、止まる駅も中野 だけ。
新宿に着くと、目の前の女の子に続いてホームに出た。
眩しい日差し、曇っているがそ う感じさせる。
いや、本当は晴れていたのかもしれない。
私の心を惑わせる魔力が、ただの数十人が行き交 う、
昼下がりのホームにはあった。
変わってない、エスカレーターから登ってくる若者二人は楽し げだ。
すれ違うおっさんも意味深に感じる、でもどう見てもただのおっさん。
ホームから地下へと降りると、 大勢の人々が行き交っていた。
無意識に気が引き締まった、正面に細身の女性の背中。
やばそうな雰囲気、だいたい 人間は太いものだ。
食欲に抗う必然はそうない、貧困か、病か、危ない薬か。
なんて妄想を膨らませながら自動改札 へとたどり着いた。
しかし先は長い、まだまだ地下、適当に出口を目指した。
位置感覚も曖昧なまま、なんとなく見 慣れた場所をなんとなく進んだ。
光が射している、そこは地下ロータリーとでも言う場所か、交番もあ る。
(いい加減地上に出て位置感覚を取り戻そう)
適当にあった地上へ の階段を昇る、そこはバス停だった。
(地上に出ればなんとかなる、そう考えていた時期もありまし た)
そこはまさに陸の孤島、おとなしく先の階段を降りることにした。
しかし位置感覚は取り 戻せた、心の地図が広がるように。
目的の出口を意識し、難なく目的の地上へ出た。
目隠しのついたパチンコ屋の入 口を横目に、歩道を進んだ。
目の前に広がる五車線はあろうかという道路を渡る。
怪しい雰囲気の漂うガード下、ダ ンボール、そこを抜けると広場だ。
交差点の反対側のビルには巨大な液晶ディスプレイがあった。
私は縫うように通 りを回った。
(ここの果物屋は息長いな、いい匂い)
(ドンキホーテ、 昔はあんまりなかったよな)
(家電屋はあって当然、フィルターで見えな い)
(繁華街も昼はおとなしい、騒がしいのは警察の客引き警告)
(昔 にここのゲーセン来たっけ?他の店はなんか見慣れない)
あまり通った事のない通り、奥の通り、男が声をかけてく る。
「DVDどう?」
軽く頭をさげ道路を横切ると男が声をかけてく る。
「DVDあるよ~」
道路を横切ると男 が。
「DVD、裏ビデオいかが?」
(どんだけDVD好きなんだ よ!)
とツッコミを入れながら進むと男が声をかけてきた。
「DVD買 わない?なにか探し物?」
「クスリ」
男は訝しげな表情を浮かべると返 答に困ったようだった。
どうやら私の散歩もこれまでのようだ。
なにやら軽い達成感を覚え、家路につく事に決め た。
。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・ ペタ *:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜
-early summer 2014- 第三章
電車の中は程よい混み具合だ。
すし詰めにされることもなく、寂 しさを感じるには程遠い。
つり革に捕まっていれば、目の前の女の子が視界の脇に入る。
大きいケースだ、チェロよ りは小さそうだが、何が入ってるのやら。
正面にはガラス越しに街並みが過ぎてゆく。
それは時間とともに騒がしく なり、やがてビルや電光掲示板、広告。
お急ぎではなかったが、急いでしまった。
座る余裕もなく、止まる駅も中野 だけ。
新宿に着くと、目の前の女の子に続いてホームに出た。
眩しい日差し、曇っているがそ う感じさせる。
いや、本当は晴れていたのかもしれない。
私の心を惑わせる魔力が、ただの数十人が行き交 う、
昼下がりのホームにはあった。
変わってない、エスカレーターから登ってくる若者二人は楽し げだ。
すれ違うおっさんも意味深に感じる、でもどう見てもただのおっさん。
ホームから地下へと降りると、 大勢の人々が行き交っていた。
無意識に気が引き締まった、正面に細身の女性の背中。
やばそうな雰囲気、だいたい 人間は太いものだ。
食欲に抗う必然はそうない、貧困か、病か、危ない薬か。
なんて妄想を膨らませながら自動改札 へとたどり着いた。
しかし先は長い、まだまだ地下、適当に出口を目指した。
位置感覚も曖昧なまま、なんとなく見 慣れた場所をなんとなく進んだ。
光が射している、そこは地下ロータリーとでも言う場所か、交番もあ る。
(いい加減地上に出て位置感覚を取り戻そう)
適当にあった地上へ の階段を昇る、そこはバス停だった。
(地上に出ればなんとかなる、そう考えていた時期もありまし た)
そこはまさに陸の孤島、おとなしく先の階段を降りることにした。
しかし位置感覚は取り 戻せた、心の地図が広がるように。
目的の出口を意識し、難なく目的の地上へ出た。
目隠しのついたパチンコ屋の入 口を横目に、歩道を進んだ。
目の前に広がる五車線はあろうかという道路を渡る。
怪しい雰囲気の漂うガード下、ダ ンボール、そこを抜けると広場だ。
交差点の反対側のビルには巨大な液晶ディスプレイがあった。
私は縫うように通 りを回った。
(ここの果物屋は息長いな、いい匂い)
(ドンキホーテ、 昔はあんまりなかったよな)
(家電屋はあって当然、フィルターで見えな い)
(繁華街も昼はおとなしい、騒がしいのは警察の客引き警告)
(昔 にここのゲーセン来たっけ?他の店はなんか見慣れない)
あまり通った事のない通り、奥の通り、男が声をかけてく る。
「DVDどう?」
軽く頭をさげ道路を横切ると男が声をかけてく る。
「DVDあるよ~」
道路を横切ると男 が。
「DVD、裏ビデオいかが?」
(どんだけDVD好きなんだ よ!)
とツッコミを入れながら進むと男が声をかけてきた。
「DVD買 わない?なにか探し物?」
「クスリ」
男は訝しげな表情を浮かべると返 答に困ったようだった。
どうやら私の散歩もこれまでのようだ。
なにやら軽い達成感を覚え、家路につく事に決め た。
。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・ ペタ *:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜。*:・゜