ここ最近忙しくてなかなかブログを書く暇が取れなかった。

職場が4月からずうっとごたごたしていて、本当は避けたかったのだけれど私は辞めて別のクリニックに移ることにした。

本来なら私の職種は決して働き口に困るものではない、が、私の就労ビザのステータスの問題があって私が働ける職場が限られている。職場環境が徐々に悪化し、仕事に行くのが苦痛になっていた。そこへ偶然私が働ける条件のクリニックが求人を出したので渡りに船と乗っかった。幸い人手が足りないこの職種、即採用が決まった。

前職場での仕事をやりきり、そして新職場へと移ったのが今週。

そしてその間に、友人に頼まれてお手伝いを始めた別の仕事。これがなかなか時間の取られるものだった。

と同時に英語の試験を受けなければならず、そちらの勉強にも時間を取られた。

そこへきて、前職場はかなりみっちりとぎちぎちに、休憩なしにスケジュールを組まれていたので、私の身体は悲鳴を上げた。あちこち痛みが生じてきた。セルフケアだけでは事足りず、同業者のトリートメント、指圧、カイロプラクティック、フィジオセラピー、鍼灸、とありとあらゆるものに頼った、が、結局はだましだましの状態だった。

 

新しい職場に移り、初日で「自分の選択は正しかった」と確信した。私はより良い環境のもと、自分を偽ることなく患者さんと向き合うことが出来ると喜びを感じた。

のだけど…。

働き出して二日目の夜、いきなり熱が出た。頭痛が酷い。喉も痛い。咳も出る。帰宅後お風呂だけさっと入って、解熱剤を飲みさっさと寝た。

翌朝になっても気分は良くならない。けれど勤め始めてすぐに休むわけにはいかない。というより休みたくない。家を出る一時間前まで寝て、そしてまた解熱鎮痛剤を飲んで出勤した。頑張って働き、そして帰宅した。

そこまでだった。

私は熱と頭痛と吐き気、そして眠れないほどの酷い咳で休んだのだった。

丸二日その状態だった。

そしてようやく今日、熱が下がり、そして頭痛もおさまった。気が付けば咳のしすぎで筋肉痛。でもこれで月曜日は出勤できる、とホッとする。

 

寝込むといつも思う。いつも思うことは同じ。

ああ。私が寝ていたらオットが私のおでこに分厚い手をあててくれたのにな、と。あれを感じるだけでほっとした。良くなっていくような気がした。

一人寝ていても隣室にオットの気配を感じてほっとした。寝ていると時折「ほら、水飲め」とか「熱測って」「どや?」と様子を見に来てくれた。

でももうそれはない。

涙が出そうになる。ひとりなんだ、と。

私は友人はいる。きっと…多分、誰かに頼めばフルーツやスポーツドリンクくらい買ってきてくれると思う。けれど私は頼めない。みんなそれぞれの生活で忙しい。頼めない。頼んで「忙しいのに断れない」状況を作り出してしまうのも嫌だ。みんなの生活を邪魔してしまうのが嫌だ。

だって私の今の状況はきっと自業自得なんだから。

熱が出ると苦しい。吐き気が止まらないのもしんどい。けれどオットは発病から亡くなるまで熱がずっと下がらなかった。薬を使っても37度台までしか下がらなかった。平熱が35度台だったオットにとって辛かったと思う。そしてオットはずっと呼吸困難だった。

オットに比べれば。こんな風邪なんてゼロに等しい。

いつもいつも申し訳なさでいっぱいになる。

ごめんね。ごめんね。

 

オットが亡くなってから私は自分が寝込むとただ言い聞かせる。

「オオカミはケガをしたりすると、巣でひたすら回復するまで丸まって寝るんだぞ」

「オットに比べれば全然大したことないぞ」

泣きたくなるし実際泣くけれど

頼る人がいないのを寂しくも思うけど

けれど大丈夫。

一匹狼で。

オットが私と出会うまでそうであったように。

 

それでも

オットの手が恋しい。