【教訓】 最後は絶対変えてくるから。油断するな。

 

ということですが、まあ、チケットが手に入らなかったのだから仕方ないですね。

 

なんの話かと申しますれば、2月16日、17日に浅草木馬館で開催された、劇団舞姫の「葵 翔太郎 総座長昇進公演」にゲスト出演された早乙女兄弟のことでございます。

 

幸いなことに、16日昼夜と17日の昼の3公演を拝見することができました。

御協力を賜ったかけがえない友人各位よ、本当にありがとうございます。

 

そもそも木馬館の舞台に太一くんが上がる、ということ自体が事件でした。

しかも、ゆっくんも!となれば「特別公演」の意味も十重二十重でございましょう。

 

「夜の男は見逃すな」とは、数年前から早乙女太一氏をめぐり私の教訓になっていることなのでありますが、今回は更にもうひとつ加わりました。それが冒頭の言葉であります。

 

後悔してもしきれない、でも、後悔したところでどうなるものでもないことが、この世の中にはあるのだということを、こっぴどく知りました。

 

というわけで、なにをそんなに悔やんでいるのか。

戯言にはなりますが、この問わず語りを聞いていただければ浮かばれようともいうものでございます。

 

2月16日 昼の部

たいへん贅沢なお席で拝見いたしまして。

2列目の、上手通路脇でした。

 

第一部の幕開けから、聞き慣れたイントロが。劇団朱雀でおなじみの梅沢富美男「色が舞う」です。幕が開き、女形の葵翔太郎総座長と、立ち姿の早乙女太一座長が現れました。

 

というわけで、改めまして翔太郎総座長、就任一周年おめでとうございます!

 

そうそう。私ら、太一くん太一くん言っておりますが、太一くんだって立派な「劇団朱雀二代目座長」なんですよね。でも、ごめんなさい。やっぱり太一くんって呼んじゃいます(;^ω^)

 

お二人の姿は、今回の特別公演を象徴するように麗しく、絵になりました。

 

思えば、太一くんが橘大五郎さん以外と相舞踊を踊るのを見るのは初めてです。そもそも太一くんが大衆演劇でゲストに出たり招いたりという機会が本当に少ないですし。翔太郎さんとの相舞踊は、そんなわけで、見ているこちらの心構えが追いつかず、ただただあっぷあっぷしながら見とれるばかりでございました。

その中で、翔太郎さんの心構えというか、気合というか、ものすごく一本筋の通った眼差しと、そこに、まさしく「胸を貸す」ような大きなオーラで静かに舞う太一くんを感じたのですよね。

 

実は、拝見した3公演通じて、舞踊の演目はほぼ同じでした。

その中で、ソロの演目が変わったり、踊る方が変わったり、という感じ。

というわけで、第一部の1曲目はすべて、この「色が舞う」だったのですが、1回目2回目と、お花タイムがあったため、舞踊の印象は「かっこいい」くらいだったんです。

ところが17日の昼(my千穐楽)は、お花タイムがなく、舞踊の全編を通してみることができたのです。それが、それがもう、素晴らしくて!

こんなにいい舞踊だったのか!と、涙ぐむほどでした。ブラボー!!!

 

お花で舞踊が中断されてしまうことを嫌がる方もいらっしゃると聞いたことがありますが、こういう体験をしてしまうと「ごもっとも!」と思います。

でもね、お祝いの席ですし、大切な風習でもありますものね。

3回目にして舞踊の全容を見られたことは、はからずもラッキーだったと言わざるを得ませんね。

 

さて、続いては劇団「章劇」からゲスト出演されている澤村紫龍さんセンター、葵智也さん上手、中村市之丞さん下手で「JIROルー伝説のYO・NA・O・SHI」。こちら、中村獅童さんがかつて制作された映画の曲のようです。森の石松が現代にタイムスリップしたというストーリーだったらしいのですが、今回は紫龍くんが紫のお着物で石松役。智也さんと市之丞さんと3人で元気にコミカルに楽しませてくださいました。

この紫龍くん、なかなかの芸達者で、サービス精神も旺盛。このあとも大活躍でした!

 

続いては、桑田佳祐「月」。お面をつけたゆっくんが登場。舞い始めると、お香のようななんともいい香りが舞台から客席まで漂ってきました。あれは衣裳に焚き染められていたのでしょうか。ほかの方には感じることのない香りでした。2番までお面のまま踊っていましたが、見ている方にはゆっくんという認識があったので「劇団朱雀の色男、早乙女友貴」という影マイクがあったのだと思います。お面をつけた踊りも素晴らしかった。特に手の美しさですよ。惚れ惚れしますよね。そして迎えた二番。お面を外した瞬間がわからないくらいに鮮やかにお顔が見えた時、ものすごい歓声が上がりました。いやぁ、ほんと、色気だだ洩れ。そして、ゆっくんほんとうに踊りがうまくなられましたね。もともと上手ではあったと思うのですが、間と言うか、見せ方というか、そういったものを身につけられていて、ほんとうに感動しました。いやぁ、いいもの見た。

 

翔太郎総座長の「冬のエトランジェ」は可愛らしく、紫龍くんの「俺に沼れ~TATTO」はめっちゃホストで、こりゃ女の子キュンキュンしちゃうわ、というチャーミングさでした。おばちゃんちょっとドキドキしちゃった(笑)

 

そして、太一さまのご登場。

Scene of Heaven「雪月花」です。折しもこの2月にSenen of Heavenさんが15年ぶりに復活されたばかり。この「雪月花」もリニューアルされるというニュースを聞いたばかりの選曲だったので、イントロ聞いただけで「うおぉお」となりましたよね。胸アツでした。

座席が近すぎてですね、現実味がないくらいにクリアに見えていたはずなのに、ただただ溜息と「この世のものとは思えぬくらい美しかった」という言葉しか出てこない自分がもどかしいです。

そこからの「百花繚乱」。既に舞台上にいる女形の太一くんのもとに、下手から立ち姿のゆっくんと、続いて翔太郎さんが登場しました。舞姫の女優陣、飛鳥姫乃さんと飛鳥ありささんも加わります。太一くん、ゆっくん、翔太郎さんと、センターを順繰りに回しながらの「百花繚乱」は、とてもとても軽やかでした。この回の太一くん、唇が微笑むように緩んで、白い歯が輝いて見えたんです。それがとてもなまめかしく美しくて。自由に、無重力に、ふんわりと舞っていらっしゃいました。

私の好きな、ゆっくんの後ろ脚の蹴り上げもシャープで(笑)

翔太郎さんも「みなさんようこそ」というような表情と仕草で、堂々とした舞を披露。その後ろで珍しく群舞にまわる太一くんは、後方で静止していても凛とした鶴のよう。見どころ満載絵巻な第一部の最終曲でありました。

 

ところで、この日気づいたことがありまして。

特別公演ということもあり、この日は太一くんにも何度かお花が付いたのですが、その時にね、太一くんが手にしていた紗の傘をそっと傾けて、お花をつける方のお姿をかばうように隠したことがあったです。

それを見た時、身体を電流が走りまして。

なんと奥ゆかしい、なんと優しい。なんとジェントルな。

 

小道具をお持ちでないときには、ほかの方々と同じようにノーガードですが、手持ちの傘やお扇子があるときには、そんなふうに「魅せる」のか、と。そもそも、太一くんがお花をつけてもらうところを見る機会はそうそうあるものではなく、貴重な一場面ではあるのですが、その中でも、私の記憶のベストシーンとなる光景でした。

 

ちなみに今回の公演中、お父様である葵陽之介座長が手に持っていたお扇子を、お花をつける方を隠すように両手で構えるお姿も拝見いたしましたので、そのお背中を見て育ってこられたということなのでしょう。

 

第二部お芝居は『次郎長旅役者』。

翔太郎総座長の記念公演なので、豚姐を翔太郎さんがやるのかと思っていたのですが、なんと冒頭から出てきた次郎長とお蝶が翔太郎さんと姫乃さんでした。

 

え?ってことは?

 

そう。やがて「早乙女☆豚之丞一座」の幟を持った葵陽之介座長(爽やかモード)と、ちっちゃいお目目に鼻の孔を黒く塗り広げたゆっくん(超三枚目)が登場。既にそこでどっかんと笑いが起きていましたが、まあ、太一くんの豚姐が『夢芝居』に乗って出てきたときには、初見の方もいらしたのか、驚きに満ちた笑いがしばし続いておりました。そんな豚姐、登場シーンからしばらく舞台のきわに立ってくれたのですが、近すぎて見上げる最前列のお客さんに「鼻の孔ばっかり見てんじゃないわよ」という愛あるいじり。

 

そしてなんと豚之丞一座は、座員が家族二人だけ。でも、お芝居の設定上は家族ではないらしく「家族じゃないですか」と言った陽之介パパに「そうね、そりゃ劇団といったら家族みたいなものだけど」という返しをする豚姐さん。

 

マイクがハウリングを起こした時のこと。茶屋の主人を演じていた葵智也さんが、すかさず鼻をつまんだのです。すると、それを見逃さなかった豚姐さんが「くさい!」と受けて、それ以降、何度か起きちゃったマイクのハウリングはすべて「屁」ということになりましたw お二人の息の合った瞬発力に大衆演劇の空気を感じましたし、「俺じゃない」と応戦するパパ&ゆっくんも楽しそうでした。


他にも、木の切り株でお蝶の帰りを待つ翔太郎次郎長のまつ毛を見て

「すごいわね、あのまつ毛。まばたきしたら飛んでいきそう」

と、いじってみたり、相手が違うことで朱雀では見られない豚姐さんの発想や発言があって、とても新鮮。

しかも、この日の太一くんにはちょっとした事情があったらしく、やや気もそぞろなところがあったようで、地元に帰って「おっかさんに会いに行く」と言ったのに家で待っていたのが「おとっつあん」だったり、踊りの振付をしながら曲の構成が不安になったらしく「あれ?間違ってる気がする」と焦ったり。それを逐一冷静に「おっかさんて言ってましたよね?」と突っ込んだり、間髪入れず「間違ってます」とバッサリ斬って軌道修正させていたのがゆっくんでした。

そんな中、忘れられないのがやっぱり踊りの指導のシーンで。

バーン!と戸を開けて“わるいやろうだ”一家に乗り込んでいくところ。先頭の豚姐が、しばし右足から入るか左足から入るかを悩んだあと、見栄えを考慮して左足から入ることに決めました。続くゆっくん、陽之介パパと、音楽に合わせて3人の足並みをそろえたい豚姐。しかし、豚姐は1で左足、2で右足を出すことになり、ゆっくんは2のタイミングで左足を踏み出す振付なので、二人の足が揃いません。ゆっくんがそれを冷静に指摘すると、そこで即座に豚姐が「そっか。あ、そうね。じゃあ私がこうすればいいんじゃない?」と、1と2の間にスキップするようなステップを加えて、カウント2も左足になるように調整したのです。その間、悩むこと0コンマもありませんでした。本当の稽古の時も、きっとこんなやりとりが繰り広げられているのでしょうね。それを目の当たりにした客席の私たちは、しばしポカーンでしたが、そのあまりの鮮やかさに、感動の拍手喝采!

ところがそのあと豚姐がうっすら冷や汗かきながら「お腹が痛い」と言い出しまして。しばしの間しゃがみ込んでこらえていたんですが、「あ、上がってきた」と言うと、横に控えていたゆっくんが「なら大丈夫ですね」と言っていて。その短い会話から、これまでの兄弟のいろんなことを思い出して、いろんなことが伝わってきちゃったんですよ。もうほんと、偉いよ、この兄弟。頑張ってるよ。(´;ω;`)ウゥゥ

 

そのあと、練習では豚姐が右足から出しちゃうという失敗をしてグダグダになったものの、本番の時には見事に揃って、あちちのキレも最強。木馬館が軋むほどの大盛り上がりでした。
 

ちなみに、舞姫さんから朱雀勢へのちょっかいも面白かったです。

まずは、おとっつぁん役の澤村姫乃介さん。ちょいちょい豚姐に突っ込んでました。ついうっかり「インパクト」と言ってしまった豚姐に「いんぱくと?」と聴き返すおとっつあんに、「あの、あれよ。衝撃のことよ!」と辛くも打ち返す豚姐。その後も絡もうとして「ちょっと黙ってて」と、豚姐にぴしゃりと言われ、いたずらっ子のように笑いながら肩をすくめた姫乃介さんがちょっと嬉しそうだったんだよなぁ。

 

それから、わるいやろうだの親分役の葵好太郎座長。

豚姐が「お腹痛い」と言ってからの場面転換だったので、お芝居しながらその場を仕切らなくちゃいけません。きっと、裏でお腹の調子を見計らっている豚姐のタイミングを案じていたのだと思います。ゲスト出演の子分役、安田桃太郎さんを絶賛したりしながら場をつなぎますが「ねえ、このままこんな感じで続けてていいと思う?」と、苦笑い。するとそんなタイミングで音楽が鳴りだし、次郎長役の陽之介座長が乗り込んできて、心からほっとしたようでした。

 

そして、本物のお蝶さん。姫乃さんのど根性がこれまた最高で。
「次郎長親分」と呼ばれて出てきた陽之介座長を「次郎長はこんなに老けてません」とバッサリ。

「お蝶姐さん」と呼ばれて出てきた豚姐に「私が本物です!」と言い、豚姐に先制攻撃。

姫乃「人の名前勝手に騙ってんじゃないわよ、このブス!」

豚姐「あんたこそ偽物でしょ、このデブ!」

姫乃「はぁああ!?」

みたいな(;^ω^)

そのやりとりがもう振り切ってて、思い出してもくすくす笑いがとまりません。

 

偽物とバレてからの豚姐の逃げっぷりも可愛かったな。下手側の褌をカーテンみたいに使って、自分の身を隠したりして。残念ながら、大好きな最後の役者音頭は、音楽が流れただけで踊りの披露はありませんでしたが、本物の次郎長夫妻にご祝儀代わりのお財布をもらって、早速中身を開いてみたり、立ち去る二人に大きく手を振ったりと、にぎやかな笑いに包まれた終幕となりました。

 

口上 好太郎座長がご挨拶。今回の特別公演について、『天號星』を好太郎さんが見に行った際、木馬館に出て欲しい旨のオファーをされたのだそうで、たまたま太一くんとゆっくんのスケジュールが合う日が16日、17日だったとのこと。

ご自身が守ってきた岐阜の葵劇場で、座長として立派に劇団朱雀公演を率いた太一くん、その後も双翼となって支え合うゆっくんとの兄弟の仕事っぷりをそばでご覧になっていて、きっと自分たちの一門の誇りと思ってくださったのでしょう。翔太郎さんはじめ、座員の皆さんに、間近でそれを見せたかった気持ちも大きかったんじゃないかなぁ。

それが実現したことが、本当に嬉しそうな好太郎座長でした。

 

第三部

まずは、飛び出てくる翔太郎総座長。そしてあとから早乙女兄弟。「ヤクザ若衆祭り唄」では、歌舞伎柄のお衣装を身に着け団扇を持った、粋で鯔背なお三方、そして舞姫の男優女優陣そろい踏みで、心も踊るような舞を披露。

そして、時太郎さん、智也さん、一之丞さんによる「大江戸ディスコ」。この曲、3公演ぶっ通しで聞いたので、最後にはすっかり覚えてしまいました。それくらい、キャッチーで楽しい踊りでした。

続いて翔太郎さんソロで「男祭り」。翔太郎さんのソロの時には、いつもお名前入りの背景幕が飾られるのです。しかも、それが女形と立ちとで使い分けられたりしていて、一曲一曲を、ご自分の表現の時間としてとても大切に構築されていることを感じました。

 

そして、太一くんで「淡雪の恋」。一瞬にして、空気の濃さが変わりました。なんだろう、気圧が変わるんですよね。吸い付くように滑らかな舞のせいでしょうか。それとも激しく旋回するお扇子が巻き起こす、静かなハリケーンでしょうか。眼光鋭く、客席を射抜いた瞳に、久々に射抜かれまして、ちょっと息ができなくなりました。

そして、すごいもの見ちゃった。

クライマックスで太一くんがのけ反りながらお扇子を回すところで。右手の人差し指で回していたお扇子が、指から抜けて下手方向に飛んでいったのです。が、それを、すかさず太一くんの左手がスーパーキャッチ!!!

 

「え?なになに?今の。何が起きたの!?」

 

という感じでしたが、あわてず騒がず、あまりに自然だったので、もしかしたら気づかずそういうものだと思った方もいたのでは?っていうくらいな神業でした。

見ている方が息を飲んだし、あまりのことに声も出ませんでしたよ。

ただただ、

 

この人はほんと、天才だ。


と。静かにその奇跡的瞬間を目撃できた衝撃と喜びを噛みしめるのでした。

 

からの、ゆっくん棒で「乱の舟唄」。

やばいよやばいよ、兄弟揃って殺しにきたよw

この時の、ゆっくんの色気が「男」という感じで、いよいよ脂が乗って来た感がありました。ゆっくんが棒を使って舞うのは何度も見てきましたが、この日は本当に威風堂々たる感じ。お兄ちゃんが舞台に全部集めちゃった会場中の酸素を嵐のごとく蹴散らしながら、荒波が生まれてました。

臙脂の衣裳の片肌脱いで、あらわになった上腕二頭筋も美しく、つけていただいたお花を惜しげもなくまき散らしながらロンダート。かっこよかったっす!

 

続く「絶体絶命」は、ヤンキーみたいな翔太郎さん、時太郎さん、智也さん、市之丞さんの舞姫ターン。彼らの元気で賑やかなキャラクター、すごく楽しくて親近感が湧いております。

次いで陽之介座長ソロで「恋文」。朱雀ではあまり見ない、赤をアクセントにしたちょっと男花魁風の鬘とお衣装がよくお似合いでした。

 

そして、早乙女兄弟による「竹とんぼ」。舞台からではなく、客席入り口から、まずは太一くんが登場。そしてゆっくん。二人とも、シックなお衣装にロン毛の鬘を被って、水も滴るいい男っぷり。舞台にあがって、しばしふたりで舞ったのち、太一くんが上手の際に行きました。そこから飛ばしたファースト竹とんぼが、なんと、なんとなんと、まっすぐこちらの方向へ向かってくるではないですか。手を伸ばしたら触れられそう、と思って、手を伸ばしたら、本当に触れてしまいました。キャッチまではできなかったものの、手に当たった竹とんぼが、私の肩ごしに後ろの席の方との間の背もたれに落っこちて。二人で同時に手に取ったのですが、先に私が手に触れたということで、お譲りいただきました。優しい御婦人、そして、祝福してくださったお隣のお嬢さん、ありがとうございました。
この竹とんぼは家宝にいたします。今、太一くんをお祀りする我が家の祭壇に、可愛く止まっておられまする。感謝!

その後、兄弟の手元から、たくさんの竹とんぼが会場めがけて放たれたわけですが、この回のゆっくんが、まったくヘタクソで(失礼w)。

舞台の前方中央で、真剣に竹とんぼを飛ばそうとするゆっくんを、肩寄せ合うように見守っていた太一くんが、あまりの飛ばなさに「かくっ」とずっこけたり、音に乗りながら「まだある?」「かんざしになってるのがある」「あ、ほんとだ。刺さってる」みたいな、声なきやりとりをする兄弟があまりに愛しくて、手にした竹とんぼは夢みたいでしたし、とても尊い時間でありました。

 

その後、翔太郎さんによる「天下泰平夢舞台」、好太郎座長女形による「恋」と続き、いよいよラストショーとなりました。劇団朱雀でもおなじみの演目「決闘!高田馬場」です。

翔太郎さん扮する堀部安兵衛と、紫龍くん扮する海苔屋のばあさん。この、海苔屋のばあさんを誰がやるかで、面白さとか可愛さとか、ほろりとか、かなりのバージョンが繰り広げられてきたと思うのですが、紫龍くんのばあさんが振り切ってて、翔太郎さんとも息がぴったりで、笑いの絶えない高田馬場でした。

事前に発表されていた「早乙女太一演出構成ショー」は、きっとこれだったんですね。

お話によれば、殺陣をやりたいと言っていたという翔太郎さんも、思う存分に刀を振るわれて、あっぱれなラストショーでした。

 

そしてカーテンコール。

翔太郎総座長を挟んで、上下に並び、にこやかに、穏やかに、三方向へお辞儀をされる早乙女兄弟。

そういえば、豚姐が「こんなに稽古してない舞台初めて」と言っていたような(;^ω^)

そんな過密スケジュールの中で、ゲストとして招かれたことへの貢献と、裏方としての仕事をやり遂げられたこと、頭が下がります。

なにより、木馬館で、早乙女兄弟が、2人そろって、しかもパパと一緒に!

 

そして、そんな貴重な機会を作ってくださった劇団舞姫さんに、心からの感謝と祝福を。

そんな空間に立ち会わせていただいたこと、本当に本当に、ありがとうございました!

 

つづく。

 

追記)先日アップした時に、公演の名前を間違えてアップしてしまいました。大変失礼いたしました。訂正してお詫び申し上げます。