- そして花嫁は恋を知る緑の森を拓く姫 (コバルト文庫 お 7-4)/小田 菜摘
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結婚相手が急死! 残された皇女の恋は!?
ブラーナ第七皇女エリスセレナは、政略結婚でゲオルグ公国へ嫁ぐことに。
だが輿入れの道中、ゲオルグ公に愛人がおり、妊娠していることを知らされる。
教えてくれたのは公の異母弟の聖騎士で…?
個人的満足度:★★★★★
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感想自体えらくお久しぶりです。生きてました(^_^;)
今月ほど小説読めなかった月はないです。ストレスでそこまで余裕がなくなったせいなのですが、今は解放されましてようやく趣味の時間が舞い戻ってきました(iДi)
と、ごちゃごちゃやってる間にもう五月の新刊発売日。
なかでも特に楽しみにしていたのが「嫁恋」シリーズ(そう呼ばれているそうです)の第四弾!
帯には人気急上昇と書いてありました。それはもう、とても納得。
このシリーズ、一作一作物語が違うので、単品で楽しめるのがとても良かったです。
あまり長いのはNGって方には俄然お勧め(・∀・)/!
何より、この作品ではヒロインが本当に好感が持てるのが一番読みたくなる理由でしょうか。
ヒロインは総じてブラーナという大帝国のお姫様がその時代時代によって様々な理由から、他国へと政略結婚していく物語なのです。というか、タイトルの通り、政略結婚から始まる恋愛物語、という感じでしょうか。
今回のヒロイン、エリスセレナはブラーナの第七皇女。
上にまだ嫁いでいない姉がいるにも関わらず、女傑とも呼ばれる母の女帝エウノミアに「貴方なら異国でもやっていける」と言われ、納得のいかないまま嫁ぐところから彼女の物語は始まります。
そして、今回のヒロインは個人的には一作目のエイレーネと同じくらい好感が持てる姫様でした。
二人の共通点は自分の容姿をまずコンプレックスに感じているところでしょうか。
侍女からも「人参みたいな髪色」と言われ、後に出会うイシュトファルにも「人参みたいな…」と言われ…。
そうやって言われすぎてしまったせいでしょうか。弁も立ち利発なお姫様なのに、こと自分に関してはマイナスに考えやすくなってしまるのが何とも可哀想でした。(´д`lll)
その為、政略結婚の話が自分に回ってきてしまったのも、自分が他の姉妹に比べて劣っているからではないのか?と疑ってしまいます。
でも、彼女自身は母親の「貴方なら…」という言葉を信じたい。そんな期待との狭間で揺れ動く心情がとても切ないのですが…。
エイレーネはやや控えめな性格でしたが、エリスセレナは本来自他共に認めるかなり弁の立つお姫様。
エイレーネなら辛い状況下だと憂鬱な気持ちのまま自分の心の中に押し込めていたでしょうが、彼女の素敵なところは臆さずに思ったことをぽろっと言えちゃうところでしょうか。
普通の姫様、それも大帝国の姫君なら到底言わないような単語もぺろっと口にしてしまい、その度に11歳年上の家庭教師のイレアに叱られておりますが、そこが彼女の魅力。
今までのヒロインはどちらかというと背負っているものが重過ぎて言葉を飲み込んでしまう傾向があったので、今回のエリスセレナはとても新鮮でした。
彼女の結婚相手となったのはゲオルグ公リアヒルト。
(ブラーナと聖王庁との対立の結果、ゲオルグ公国は同時にヴァルス帝国という二つの名を冠する国になったという経緯があるのですが、読んでてへぇ~と思いました。ヴァルスって聖王庁が主体で生まれた国家名だったんですね。)
彼女の最初のお相手は何とも愛人がいて、おまけにその愛人が懐妊中Σ(・ω・ノ)ノ!?
というショッキングな内容を、それも嫁するゲオルグへの旅の途中でエリスセレナは知ってしまうわけですが、彼女の素晴らしさは愛人の存在を知ってから如何なく発揮されておりました( ̄∇ ̄+)
愛人と子供がいたことに怒るイリアに、「子どもは愛人がいた末の結果論なんじゃ?」のような感じでクールにきり返すところが面白いです。
普通なら一緒に怒るはずですけどね。どうして子供まで!?ってな感じで。
愛人がいたからできちゃっただけでしょ、と遠まわしにあっけらかんと言えるのが彼女の凄いところ。
愛人どころか子どもの存在までクールに返すエリスセレナは格好いいです(^ε^)~♪
ちなみに、今回婚約者であったリアヒルトさんは名前のみで一度も素顔は登場しませんでした。
どころか、ヒロインと出会うことなく先立たれてしまった、何とも可哀想な方でした∑(-x-;)
そんなわけで、ヒロインのお相手は無論別の方。
表紙でエリスセレナの手を取っている騎士風な紳士は、リアヒルトさんの異母弟で、名前はイシュトファル。
ヒロインがクールなので、こちらは性格は本当におっとり…といったイメージです。母親の身分が低く、それも姦通罪で処刑された人物であった為、他家に養子に出された後、聖騎士(修道士と騎士を兼ねたようなもの)になったらしいのですが、何とも天晴れなぐらい聖職者の鏡とも言える方でした。
旅の途中で立ち寄った寺院で出会った二人ですが、エリスセレナが隣に腰掛けようとしただけで「破戒ですから」と言ってしまうその清廉さ( ̄□ ̄;)!!
確かに聖職者であれば貞操だの色々守らねばならない戒律があるようですが・・・、傍に女性が近寄っただけで=破廉恥な行為?ってのはどんだけ純粋培養なのでしょう、彼は(;´Д`)ノ
が、それだけじゃやっぱりヒーローではないですよね!
ここぞというときは、剣でエリスセレナを格好良く守ったり、「貴方のような女性と結婚できて、兄が羨ましい」とかとんでも発言をぽろっとしてみたり…。
今回のカップルなイメージ的に天然とクール、でしょうか。エリスセレナは現実派だからこそ、彼の二面性に振り回されて真っ赤になったり、本当に微笑ましいです。今までのカップルとはちょっと立ち位置逆になってるからこその面白さですvv
ですが、やっぱり物語ですからエリスセレナの人生は山あり谷あり。
エリスセレナがゲオルグに到着早々結婚相手のリアヒルトの死亡が知らされ、それと共に当の愛人のヘルミオーネの登場。
今回の花嫁もかなり苦労されておりました( ̄Д ̄;;
ヘルミオーネは本当に悪役の典型例でした。愛人なのに堂々と城に乗り込んでくるは、大帝国の姫君相手に失礼な発言連発してみるわ…、でも一番悲しきは、彼女は悪役なのですが知能犯にはなれないタイプなので、最後まで黒幕に踊らされて自滅してしまうことでしょうか。
リアヒルトの殺害にしても、すぐバレます。誰かに煽られて行動してたのがまる分かりなので、結果的に後半で人間としてどんどん成長していくエリスセレナのいい引き立て役になっておりました。
ちょっとこの人も哀れだな~と思うのですが(悪役なんだけど)
大まかな内容は伏せておきますが、ラストは意外な最後を迎えます。ゲオルグ公亡き後、跡を継いだのはイシュトファルではなく、エリスセレナでした。
今回のヒロインは本当に「成長」がキーポイントでした。今まで姉より先に結婚することをあまりよく受け止めていなかった彼女ですが、イシュトファルとの出会いと様々な事件を乗り切ったことから大きく成長し、「自分だからここへ来た意味がある」、と前向きに歩み始めて生きます。
そうして、ゲオルグ側が跡継ぎ問題で紛糾しているところを、ブラーナ皇女として自らが次のゲオルグ公になる、と彼女の自身が名乗りをあげます。
女公となった彼女は還俗したイシュトファルと結婚。
二人でゲオルグ公国を、ひいてはヴァルス帝国を守っていく、というラストになっております。
最初は「弁の立つ可愛げのない皇女」と周囲から揶揄されていたエリスセレナが、結婚を機に大きく変わり、いつしか聡明で度胸のある一国の主へと変わっていく。
そんな、今回は文句なしに楽しめた物語でした。
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