キ上の空論「幸福(しあわせ)の黄色い10日後」
@サンモールスタジオ
とにかく、素晴らしいの一言。書きたいことがあり過ぎて、書き始められずに、千穐楽から10日後になってしまいました。
岐阜の田舎の、建築科とデザイン科がある共学の高校が舞台。
高校2年生の7月。
建築科は、イジメやカツアゲが酷くて、デザイン科は明るく仲良しでカラーが違う感じ。
建築科は女子3人、男子4人。
デザイン科は女子5人、男子1人、が出演者。
当日パンフレットには、役名とキャスト名が縦2列で書いてあるんだけど、
左側がデザイン科(+デザイン科の、ひとりの女子と姉妹のように仲良しの妊婦さん、ひとり)、
右側が建築科だって、今、気付いた💦
10日前にも、イジメや不倫、決して幸福なことばかりではなかったけれど、幸福な時間もあった。
その10日後、最悪な出来事から描き始め、時間を遡り、行き来しながら、話は進んでいきました。
複雑過ぎて置いて行かれることはなく、観ながら、意味が分かりにくかったシーンの意味が、後から明らかになっていく構成・脚本がホント、良くて。
この10日間に起こる出来事・明らかになる事は、かなりハード。
自分をイジメてた男子生徒の彼女を強姦、金属バットでの殺人、援助交際、妊娠、不倫・・
ただ、これが決して特別な作り物にはならず、普通の高校で、普通に起きている出来事のひとつに過ぎないと思えるのです。それは、例えば、同時並行に起こっている出来事として、
男子が、どうやって好きな女子に告白しようかと考えたり、
告白して手を握っただけで、幸せの絶頂になったり、
付き合うことになったら、いきなりキスしようとする男子がいたり、
人気のあんみつ屋さんに友達と行こうとしたり、カラオケ行ったり、
ごく普通の高校生活も、そこにはあるのです。
名前も、それぞれ、下の名前で呼ばれるキャラの生徒は下の名前だけしか出てこなくて、
その名前も、リナ、純、ユタカ、エミコ・・・ごく普通の名前
苗字で呼ばれるキャラの生徒は苗字しか出てこなくて、
戸田、辻ちゃん、梅村、佐藤・・ごく普通の苗字
ごく普通の高校生が、
ごく普通の高校生活を送っていて、
表裏一体とした、ドロドロの世界も、そこにはあって
一部の役以外は、誰がどの役をやるか決めずに2日間ほどのワークショップを行い、
それから、配役を決めたのだそうです。で、その後、あて書きはしてないそうなんですが、
どの役も、はまり役で。これは、役者さんたちも芝居が出来る方々ばかりだったのに加えて、
脚本・演出の中島庸介さんの人を見抜く力と演出力が、とても高いのだと思います。
最初に人間関係を整理します。
建築科の戸田ちゃん(一番上の写真、石塚みづきちゃん)は、元・野球部で暴力的な梅村(奥田龍平さん)と付き合ってます。ラブラブです。
野球部マネージャーの夏樹(本田祐衣さん)は、ふたりと友達。
梅村は、純くん(むらさきしゅうさん)を、いじめ、パシリにし、カツアゲもしてます。純くんは見た目、根暗な感じ。
声変わりをまだしてなくて、体も小さい、山本(真弓瞬さん)も、梅村からいじめられてて、なので、純くんとは仲良くしてます。
無口で、目立たない存在の女子、佐藤さん(ししどともこさん)は、中盤まではほぼ存在感がないのですが、戸田ちゃん、山本、デザイン科のリナ(岩井七世さん)、リナを妹のように可愛がっている、妊婦の久美ちゃん(いしいまいさん)と絡みがあります。
闇を抱えた生徒ばかりの建築科で、唯一、明るくて、爽やかに、エッチなことに興味津々なユタカ(川上憲心さん)は、
デザイン科の辻ちゃん(野中ななみさん)と付き合うようになります。建築科の生徒たちと絡むシーンは1つしかありません。
辻ちゃんは、同じデザイン科のリナ(岩井七世さん)、
エミコ(加茂井彩音さん)と仲良し。
リナは、妊婦の久美ちゃんとは幼い頃から、本当の姉妹のような仲。
デザイン科の志摩(鈴木研さん)は、リナが大好きで、どうやって告白するか、思案中。
そんな志摩とは幼馴染で、同じくデザイン科のアヤカ(レベッカさん)は、リナのクラスメイト。
一緒に帰ったりするほどは仲良しではないけど、友達。
いつも体育の授業を休んでて、友達がいない奈菜(杉本知佳さん)は、ある偶然から、リナと話をするようになり、エミコと3人でカラオケにも行きます。
天真爛漫、誰からも好かれそうなリナを罵倒する、佐藤さん。
セットは後ろを通り抜けられる、大きな穴が開いた壁のみ。
あとは、学校の椅子が数個。
次のブログでは、ストーリーをたどりながら、振り返りと僕が感じたことを書いていきます。
つづく