「櫻の園2」 @ザムザ阿佐ヶ谷
1990年、日本アカデミー賞優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞・最優秀編集賞・新人俳優賞/中島ひろ子、など
「櫻の園」
脚本のじんのひろあきさんが、作・演出ということで、とても楽しみにしていました。
もっとも、未浜杏梨ちゃんが出演していなかったら、本作が上演されること、知らなかったと思います。舞台「ルドビコ女学院」に出演してたのを、金子修介監督が2回観られて、「女子高生を演じられる女優」ということで、杏梨ちゃんをじんのさんに紹介したんだそうです。
みーにゃん(未浜杏梨)以外には、知ってる役者さんはいませんでした。
今年5月に、「櫻の園2」の初演があり、今回は、その再演だということも、最初は知りませんでした。一番最初のとこにリンク貼った;も一回貼りますね→「ガソリーナ公演 櫻の園2 公式」に、けっこうネタバレやら、先ほどの、なんでみーにゃんが出演することになったのかとか、インタビューがたくさん載っていて、映画「櫻の園」以外の情報も、けっこう知った状態にはなってました。そう、だから、いろんな意味で新鮮。インタビューの中で、じんのさんが「ネタバレありで構わないから」っておっしゃってますからね。
で、そのインタビューで、主演は元SKE48(14才から7年間在籍、2期生)の加藤るみさんだと書いてあったわけですが、スミマセン、アイドル詳しくないので、存じ上げませんでした。
公演は2時間なんだけど、途中休憩をはさむ、2幕構成。
第1幕は、1年前の「櫻の園」の上演終了後。
毎年恒例の、春の創立記念式典に合わせて上演される「櫻の園」、以外の演劇部の活動。
それは、夏の公演。
この公演で何をやるかを、部員たちがひとりずつプレゼンするのが、1幕の中心です。
実際に各役者さんが、自分の好きな舞台とか映画のプレゼンをじんのさんに向かって行い、それをじんのさんが文字に起こして、脚本にして、それを同じ人が今度は台詞として演じる、という、初めてです。こういう創り方のを観るの。
そういうこともあり、この1幕は、映画「櫻の園」の前半部分のような、芝居なのか、素なのかわからないような芝居。声も、そんなに張ることもなく。プレゼンを観てる部員たちは、客席に背中向けてるしね。
唯一、この場にいる大人は、顧問の美里先生(石川ひとみさん)。
美里先生の、部員たちのプレゼンを観てる時の表情や仕草が、生徒たちとの距離が近くて、演劇が好きなんだなぁというのが、とても感じられました。
杉山紀子(未浜杏梨)は「マホガニー市の興亡」で、「エロはどうか、と。」
木下瑠奈(河﨑莉奈)は「プラダを着た悪魔」で「皆さんお金持ちだから、普通にプラダとか、家にあるじゃないですかぁ」
唯一の1年生、悠ちゃん(二宮咲)は、キャラメルボックスの「嵐になるまで待って」で、自分はこの舞台の音響や照明が好きで、もしこれが採用されたら、役者じゃなくて音響や照明をやりたいです、って。
このプレゼン、好きで好きでたまらない感が凄くて、もう、完全に自分の世界に入っちゃって、「ぴゅーとごーで」「ばああああって」とか、なんか、擬音のオンパレード。
咲ちゃんは、ある映画祭に出品された作品に出演してて、じんのさんがその映画祭の審査員をされてたことで、出会ったんだそうです。現在は、じんのさんの劇団ガソリーナ所属。
そんな中、引退したんだけど、いまだに顔を出してる、澪先輩(國領浩子)が、
先輩風を吹かすような、「これはプレゼンではなくて、提案です」と言いながら、上から目線の「提案」をするんです。「愛と幻想のファシズム」。これは浩子ちゃんから終演後に聞いたのですが、この澪先輩の「提案」だけは、じんのさんの考えがかなり入っているんだそうです。
演劇では世界は変えられない
だったら、せめて「あはは」って思える台詞を口にしよう
これを聞いてる時の美里先生が、ほんと楽しそうで。でも、3年生。引退。来年の今頃は卒業して、学校にいない。そうした、2幕の儚さに繋がっていきます。
あっという間に1年が経ち、2年が経ち。後輩は先輩になり、先輩は卒業していく。
あっという間。
てな感じで各自がプレゼンして、決定したのは、演劇部が演劇をするなんて、当たり前過ぎると、もはや演劇ではなくてカーニバル、と提案した、清水部長のプレゼンが採用されて、演目は「ゴーストバスターズ」
レーザービームみたいのでゴーストをやっつけるシーンを表現したのは、これ!
数名がエアガンみたいので、空気をバーッて送って、大量のトイレットペーパーを次々に舞台上だけでなく、客席に向かってバンバン飛ばします。この光景は、確かにウキウキして、まさにカーニバル。
サックスを吹ける沢尻結希(川原夢貴)が、ゴーストバスターズのテーマ曲に乗せて、サックスを演奏しながらステップ踏むのも、カーニバル感が増してました。
カーニバルが終わり、照明が暗くなると・・
今のを観て、演劇部に入りたい!と、1年生がやってきました。明るくて元気な声で。
倉田知世子(石黒丞子)。
(璃帆ピースしてる( *´꒳`*)੭)
知世子を見た清水部長、客席の方をパッと向いたその表情が、ゴーストバスターズから一転、眉間にしわしわを寄せた、険しい表情のようでもあり、何か衝撃が走ったようでもあり。
清水部長が1年生の知世子に一目ぼれしたっぽい
そこで、緞帳がバーンと降りて、1幕は終了。10分の休憩に入ります。
大量のトイレットペーパーを、バケツリレー方式で客席の後ろから舞台へと送っていって、お片付けします。
車座に座ってプレゼンを観てるとき、紀子は制服のスカートであぐらかいてて、これって、共学ではあり得ないよなって思った。
ちょっとした言葉や仕草の端々に、女子高っぽさが出ていて、なんか、それをのぞき見ているような1幕でした。
そして、2年生の夏。終わることない楽しい時間のような1幕から、2幕は映画「櫻の園」で描かれていた、「櫻の園」上演当日の朝へ。
続く